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緊張しない方法を公認心理師が解説!緊張の原因や対処法を詳しく紹介

緊張しない方法 (2)

大事なプレゼン前や人前で発表する時に緊張して声が震えたり、心臓がドキドキしたりしてしまう……。誰もが一度はこんな経験があるのではないでしょうか。

適度な緊張は、スポーツや仕事のパフォーマンス向上につながるといわれています。 しかし、緊張しすぎるとミスが増えたり、集中力が途切れてしまったりと、思わぬ結果を招くことも。

そこでこの記事では、公認心理師の資格を持つMELONインストラクターのNaoさんへのインタビューのもとに、緊張してしまう原因や緊張する人の特徴、緊張しない方法などについて詳しく紹介します。

人前で緊張してしまう原因は?

ピンクと赤のハートのオブジェクト

人前に出るとあがってしまい、うまく言葉が出てこなかったり、手が震えて止められなくなってしまったりした経験はありませんか? 緊張すると、私たちの体はさまざまなサインを出します。

ここでは、その原因を詳しく解説します。

緊張は危険から身を守るための自然な反応

緊張とは、過去の経験から得られた「危険を回避するための準備」というプログラムが、私たちの体の中に組み込まれているために起きる自然な反応です。この反応は、私たちを危険から守り、生存に貢献してきた重要なメカニズムなのです。

つまり、緊張してしまうことはとても自然な反応で、一概に悪いことではありません。

緊張とは交感神経が優位になっている状態

人が緊張すると、心拍数や呼吸数が増え、汗をかいたり、筋肉が緊張して声が震えるなど、さまざまな反応を示します。これらの反応は、交感神経と呼ばれる自律神経が優位になっているために起こります。

交感神経は、私たちが何か行動を起こしたり、危険な状況に直面したりするときに活発化する神経です。いわば、体のアクセルのような働きをします。これにより、心拍数や呼吸数が増え、筋肉に血液が送り込まれるなど、緊急事態に備えるための準備が行われるのです。

参考:吉原 一文ら(2019). 交感神経活動の脳内ネットワーク, 自律神経, 56巻, 2号.

過度な緊張には注意が必要なことも

交感神経が活発になっている状態は集中力や注意力が高まり、課題解決能力が向上します。スポーツやプレゼン前などでは、適度な緊張がある方がより良い結果を導くことは、よく知られています。

ただし、緊張しすぎると逆効果になることもあります。過度の緊張によって心身にストレスがかかると、ノルアドレナリンという交感神経を刺激するホルモンの血中濃度が上がります。 このホルモンの影響により、思考が停止したり、体の震えがとまらなくなってしまったりといった、さまざまな反応が起こってしまいます


『過緊張』の症状とは?なりやすい人の特徴や原因、対処法を解説!」の記事では、緊張しすぎてしまって思うようなふるまいができない「過緊張」について詳しく解説しています。興味のある方はぜひご覧ください!

人前で緊張しない方法4選|緊張をほぐすコツ

山で両手を挙げている人

適度な緊張は良いものの、大事な仕事の前や人前で過度に緊張してしまい、いつものパフォーマンスが出せないのは問題ですよね。

ここでは、緊張を抑える方法について詳しくご紹介していきます。

(1)成功体験に繋がる行動を増やす

緊張を抑える方法として有効なのが、発表の前などにしっかりと本番をイメージした練習やシュミレーションをして、成功体験につながる行動を増やすことです。

恥ずかしい想いをしたなどの失敗体験によって緊張が引き起こされることもあるため、小さな成功体験を積むことで改善されていく可能性があります。

(2)バランスの良い食事をとる

バランスの良い食事をとることも大切です。

特にノルアドレナリンの過剰を抑えるトリプトファンを含む食品の摂取は、緊張を抑えるのに有効といわれています。

赤身の肉や魚、乳製品などのタンパク質をバランスよく普段の食事に取り入れましょう。

(3)身体を温める

身体を温めることで副交感神経が活性化し、交感神経の働きを抑制してくれます。

緊張する場面の前には、温かい飲み物を飲んだり、暖かい服装にしたりして、身体を温めリラックスするようにしましょう。

(4)緊張をほぐすためにはマインドフルネスもおすすめ

緊張をほぐすためにはマインドフルネスもおすすめです。

緊張を感じている時、私たちは未来の不安や過去の失敗などに意識が向きがちですが、マインドフルネスを実践することで、意識を「今」に集中させ、気持ちを落ち着かせることができます


MELONでは、オンライン・マインドフルネスサービス「MELON オンライン」を提供しています。毎日オンラインでいつでもどこからでも参加することができ、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターが丁寧にわかりやすくレッスンを行うので安心です。

緊張してしまった時にすぐできる、呼吸を意識する「Breath」や、体の細部まで意識することで集中力を上げ、リラックスできる「Body Scan」といったクラスもありますので、緊張することが多い方はぜひ一度、参加してみてください。

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人前で緊張しやすい人の特徴とは?

ハートのオブジェクト2つ

ここでは、緊張しやすい人によく見られる特徴を解説します。特徴を理解することで、緊張をコントロールしやすくなります。

脳の扁桃体が過活動になっている人

失敗したことばかりを思い出し、「また失敗したらどうしよう」と考えてしまう人は緊張しやすい傾向があります。

これは脳の扁桃体が過剰に活動しているからかもしれません。 扁桃体が過剰に反応していると、悪いことばかりを想像しがちになり、未来に対して不安を感じやすく、それが緊張に繋がります。

「緊張してはダメだ」と考えすぎる人

先に述べたように緊張は人間の身体の自然な反応で、あたりまえのことです。

しかし、「緊張してはいけない」と意識をすることで、逆に緊張が強まったり、パフォーマンスが低下してしまうことがあります。これは緊張に対する恐怖心や、完璧主義的な考え方が、より一層緊張を引き起こすからです。

緊張が改善されない場合は医療機関や専門家に相談を

窓を見つめる女性

緊張が一時的なものではなく常に続いていたり、特定の場所や状況が怖い、パニック発作が起きるなど、日常生活に支障が出ている場合は、心の病気が隠れている可能性があります。

専門家への相談や医療機関を受診することを検討してください。

まとめ|緊張してしまう自分とうまく付き合おう

自然の画像

この記事では、人前で緊張してしまう原因や緊張しやすい人の特徴、さらに対処法などについて詳しく紹介しました。

時には緊張しすぎることが短所に思え、そんな自分が嫌になってしまうこともあるかもしれません。しかし緊張することは、必ずしも悪いことではないのです。

「いつも緊張してしまって困る」という方は、ぜひこの記事を参考にして、少しでも緊張を和らげる方法を探ってみてくださいね。