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「感謝の瞑想」とは?心が穏やかになるやり方や効果を詳しく解説

感謝の瞑想 アイキャッチ

最近、雑誌やテレビなどで目にすることも増えてきたマインドフルネス。その実践方法の一つ、「感謝の瞑想」は、周りの人や今あるものに感謝の気持ちを向けることで、ネガティブ思考に囚われにくくなり、心が穏やかになる瞑想方法です。

近年、感謝の感情が私たちの脳に良い影響を与えるということが、科学的に明らかになってきました。感謝の気持ちが強い人ほど、人との関わりや道徳的な判断を司る脳の部分が活発に働き、睡眠の質改善や前向きで温かい人間関係を築くことができることがわかっています。

そこで今回は、MELONインストラクターの林 有加里さんへのインタビューを元に、感謝の瞑想の具体的なやり方や、その効果について解説します。


マインドフルネスとは何かをまず知りたい方は、こちらの「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をご覧ください。

感謝の瞑想とは?効果を踏まえて解説

Thank Youカードの画像

感謝の瞑想とは

感謝の瞑想とは、「他者」や「今あるもの」に向けて感謝をしていく瞑想法です。

例えば身近な人に対する「いつも支えてくれてありがとう」「話を聞いてくれてありがとう」という感謝や、「今、呼吸ができていること」「雨風しのげる家があること」など、普段当たり前だと思っていること、その一つ一つを丁寧に改めて感じてみて、感謝の気持ちを向けていきます。

「今あるもの」に目を向けることで、さまざまな気づきが得られる

私たちは、ついつい「あの人と比べて自分は……」と、周りと自分を比較してしまい、ストレスを感じたり、ネガティブな感情に振り回されてしまうことがあります。最近は特にSNSの発達によって他人の生活が可視化されたことで、マイナスな感情が湧き上がりやすくなる機会がますます増えています。

しかし、一度立ち止まって考えてみましょう。

深呼吸をするたびに肺が新鮮な空気を吸い込んでいる感覚、自分の身体が今ここにあるということ、お腹が満たされる喜び──。この瞬間に自分が持っているもの、できること、そして周りの人々や環境に目を向けてみると、当たり前と思っていたことは実はとても貴重なものなのです。

感謝の瞑想を通して、「今あるもの」に感謝の気持ちを持つことで、心の状態は大きく変わり、自分の内側に「豊かで幸せな感覚」があることに気づくことができます。

科学的に証明された感謝の瞑想の効果

ハートのオブジェクト

感謝の瞑想は、科学的にも効果が示されています。感謝の瞑想が脳と心臓の連携に与える影響を調べる研究では、感謝の瞑想中の心拍数は低くなり、さらに感謝の瞑想後には感情や動機づけに関わる脳の領域で活動の変化が見られました。

感謝の瞑想の主な効果

  • 心拍数を低下させ、リラックス効果をもたらす
  • 脳のネットワークを変化させ、特にDMNの活動に影響を与える
  • 感情調節能力と自己動機付けを向上させる
  • 不安や抑うつを軽減し、幸福感を高める

参考:Sunghyon Kyeongら (2017). Effects of gratitude meditation on neural network functional connectivity and brain-heart coupling. Nature.

参考:Max Henningら(2017). A Potential Role for mu-Opioids in Mediating the Positive Effects of Gratitude. Frontiers in Psychology.

参考:RA Emmonsら(2004). The psychology of gratitude. Oxford University Press.

感謝の瞑想の具体的なやり方・手順

床で瞑想する女性

それでは、感謝の瞑想の具体的なやり方をご紹介します。

STEP1:座って姿勢を整える

まずは、のんびりと楽な姿勢で座ります。

床か椅子のどちらでも大丈夫ですし、横になっていただいても構いません。

左右の坐骨に均等に体重を乗せて骨盤を安定させ、気持ちよく背骨を伸ばします。

手は膝や腿などの置きやすい場所に置いて、目は閉じるか、薄目で斜め下一点を見つめます。


「瞑想の座り方・姿勢」についてさらに詳しく解説している記事「瞑想の正しい『姿勢・座り方』とは?あぐらがつらいときの対処法も紹介」もあるので、こちらもぜひご覧ください。

STEP2:自然な呼吸に意識を向ける

次に、のんびりと呼吸に意識を向けていきます。呼吸はコントロールしようとせず、自然と繰り返される吸う息と吐く息を感じましょう。その呼吸によって、胸やおなかが膨らんだり萎んだりする様子を観察します。

「当たり前のようであって、当たり前ではない」ことにも改めて意識しながら、ゆったりと呼吸を繰り返してください。

STEP3:感謝の気持ちを向ける

ここから感謝の瞑想を行っていきます。

感謝したい人をイメージして心の中で「ありがとう」を伝えていきましょう。

今、あなたの心に浮かんだのは、誰ですか?

家族、友人、恩師、ペット、そしてあなたを支えてくれるすべての人へ、心から「ありがとう」の言葉を贈りましょう。1人ではなくても大丈夫です。また、人以外の出来事や状況、物などに対してでも構いません。

例えば、今この瞬間、あなたは呼吸ができ、この体でさまざまなことを体験できています。そして、安全な場所で、この瞑想をしている。これらは、決して当たり前ではない、かけがえのない贈り物だということに、改めて気づくはずです。

もし、感謝の対象がすぐに思いつかない場合は、ただ「ありがとう」という言葉を心の中で繰り返してみましょう。

これを2分間、心ゆくまで感謝の気持ちに浸ってみましょう。

そして、最後に深呼吸をして、この瞑想の時間を持つことができたことにも感謝の気持ちを向けてみましょう。

感謝の瞑想は続けることでより効果が高まる

森にハートがある画像

感謝の瞑想は、脳の神経回路が活発になり、思考をポジティブな方へ変化させます。長期的に続けることで、心の安定や幸福感、ストレス軽減といった効果がより顕著になり、生活の質が改善します。

さらに継続して行うことで、

・怒りの感情をコントロールできるようになる
・不安やストレスにさらに耐性がつく
・共感力が向上する

といった、よりよい効果が得られます。


瞑想を続けることでどんな良い効果があるのか、詳しくは「マインドフルネス瞑想のすごい効果とは?毎日5分でも継続が大事!」をご覧ください。


継続するためには「正しく学ぶこと」「仲間と一緒に行う」ことが大切です。一人でマインドフルネスを継続するのが難しい場合や、もっとマインドフルネスについて知りたい!という方は、プロのレッスンに参加してみるのも一つの手段です。正しいマインドフルネスのやり方をプロから教わることで、より継続しやすくなります。

プロのインストラクターによるレッスンが受けられる「MELONオンライン」では、ライブ形式のレッスンを通して、同じ志をもった仲間と一緒にマインドフルネスを実践できます。また、忙しくてリアルタイムで参加できない方でも、過去のレッスンがアーカイブでいつでも見られるようになっているので安心です。

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まとめ|感謝の瞑想で心を穏やかに

今回は、感謝の瞑想の具体的なやり方や効果などをご紹介しました。

感謝の瞑想を実践することで、私たちは、普段当たり前と思っていることに目を向け、その一つ一つに感謝の気持ちを持つことができます。例えば、美味しい食事、穏やかな睡眠、健康な体、そして大切な人とのつながりなど、日々の生活の中にあふれる喜びに気づくことができるでしょう。

感謝の瞑想を習慣化することで、ネガティブな思考に振り回されることが減り、心は穏やかで平和な状態へと近づいていきます。毎日の小さな喜びに気づき、感謝の気持ちを持つことは、私たちの人生をより豊かに、そして幸福なものへと導いてくれるはずです。

今回ご紹介した方法を参考に、あなたも感謝の瞑想を始めてみませんか?


また、「感謝の瞑想」の他に有名な「慈悲の瞑想」について紹介している記事『「慈悲の瞑想」とは?すごい効果・やり方を解説!慈悲のフレーズやコツも紹介』もありますので、ぜひ試してみてくださいね!