瞑想すると眠くなる理由と集中するためのヒントを紹介!眠くならない瞑想も
「瞑想していると、どうしても眠くなってしまう……」「瞑想中、気がついたら寝落ちしていた」など、瞑想中に眠くなったり、意識が飛んだり、特に初心者はそんな経験がある方も少なくないかもしれません。
今回はMELONインストラクターの林 有加里さんへのインタビューをもとに、瞑想中に眠くなってしまう理由や、寝落ちせずに瞑想に集中するためのヒント、初心者でも簡単にできる眠くならない瞑想を紹介します。
マインドフルネスとはなにか?を知りたい方は、専門家が解説する「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をぜひご覧ください。
瞑想中に眠くなってしまう理由とは?
そもそも、瞑想中に眠くなってしまうのはなぜなのでしょうか?
瞑想時はゆっくりと穏やかな呼吸によって副交感神経が優位になり、体はリラックスした状態になります。それによってストレスレベルが下がったり、心拍数や血圧も落ち着いてくるのですが、これは眠る前の状態ととても似ています。
さらに、睡眠不足や疲れ、満腹感、瞑想する場所の明るさや室温の影響で、より眠りに落ちやすくなってしまうこともあります。
脳波の分析で明らかに!瞑想中に眠くなる理由
脳波の研究からも、瞑想中に眠くなる理由は解明されています。
オーストラリアのサンシャインコースト大学の研究で、20分の瞑想を行った被験者の脳波を測定したところ、瞑想中に脳全体のθ波(シータ波)とα波(アルファ波)が増加することがわかりました。
α波はリラックス状態を示す脳波ですが、長時間α波が優位になると、眠気を感じやすくなります。θ波は、ノンレム睡眠の初期段階に現れる脳波で、瞑想中にθ波が増加すると脳が睡眠状態に移行しようとするため、眠気が強まることがあります。
つまり瞑想時に眠くなってしまうのは生理的な理由があり、眠くなるのはむしろとても自然なことなのです。
参考:Jim Lagopoulosら(2009).Increased Theta and Alpha EEG Activity During Nondirective Meditation,Journal of alternative and complementary medicine.
眠くなることは悪いことじゃない。体からのメッセージを素直に受け取ろう
「せっかく瞑想しようと思ったのに、眠ってしまった……」とがっかりする気持ちもよくわかります。しかし、マインドフルネス瞑想で大切なのは、その時々の自分の状態を見つめることです。
眠気を感じた時、それはあなたの体が「ちょっと疲れているよ」と教えてくれているのかもしれません。無理に覚醒しようとするのではなく、「今、私は眠気を感じている」と、ただ観察してみましょう。
眠気を感じている体の部位や、その感覚に意識を向けることで、自分自身への理解を深めることができます。眠気は、むしろ貴重な気づきの機会を与えてくれる存在なのです。
寝落ちせずに瞑想に集中するための5つのヒント
確かに眠気は自然な反応ですが、しっかり集中したいという方もいるでしょう。
なるべく眠気を感じず、瞑想に集中したいときにはどんなことを心がければよいのでしょうか?いくつかの工夫を紹介します。
(1)完全に目を閉じず、薄目で2mほど先の斜め下を眺める
目を閉じると自然とリラックスし、眠気が起こりやすくなります。そこで、眠気を感じ始めたら、少しだけ目を開ける「半眼」の状態で、2mほど先の斜め下を見ながら瞑想をする方法を試してみてください。
わずかに開けた目で斜め下を見ることで、眠気を軽減しながらも、瞑想状態を保つことができます。
(2)満腹時の瞑想は避ける
満腹感は私たちの体をリラックス状態へと導き、眠気が高まります。特に食後は消化器官が活発に働き、体が休息を求めるため、眠気を感じやすくなります。
瞑想の効果を最大限に引き出すために、食事は軽めに済ませ、消化が落ち着いた状態で瞑想を始めましょう。
(3)眠くならない時間帯を選ぶ
一日の終わりに瞑想をする場合、疲労によって眠気を催しやすくなります。朝の起床後すぐなど、交感神経が優位な時間帯に瞑想することで、より集中して行うことができます。
(4)背骨を伸ばす姿勢を意識する
眠気を感じたら、背筋を伸ばしてみてください。体全体に意識が向き、眠気を軽減しながらリラックス効果を感じることができます。
(5)呼吸と体の感覚にできるだけ意識を向けようとする
マインドフルネス瞑想は穏やかな呼吸が基本ですが、眠気が襲ってきたと感じたら、あえて深呼吸を取り入れてみましょう。深い呼吸は、体の隅々まで酸素を送り込み、眠気を覚ます効果が期待できます。
同時に、呼吸と体の感覚に意識を集中することで、瞑想の状態をより深くすることができます。
眠気を感じた時は、無理に覚醒させようとせず、軽いストレッチを試してみるのも効果的です。伸びをしたり、首を回したりするだけでも、体が目覚めることがあります。
それでも眠気が収まらない場合は、そのままの状態を続けてみましょう。瞑想中に眠りにつくことは、忙しい日常の中で、心身を深く休ませるための貴重な時間です。
瞑想中の眠りは、思考の整理を促し、より深いリラックス状態へと導いてくれます。
眠くならないためには?
どうしても眠気に負けてしまい瞑想に集中できない場合は、眠くなりにくい瞑想を行うのもおすすめです。体を動かしながらできる瞑想や、朝にできる瞑想を紹介します。
歩行瞑想
歩行瞑想は歩きながら実践できる瞑想法です。歩くことで自然と眠気が覚め、集中力が高まります。
体を動かしながらできるので眠くなりにくく、通勤通学時やちょっとした散歩など、日常のすき間時間を利用して手軽にできます。物事を毎日続けるのが苦手な方でも継続しやすい瞑想です。
「歩行瞑想の効果やメリットは?インストラクターがやり方とコツを解説」では歩行瞑想の詳しいやり方とその効果を紹介しています。ぜひご覧ください。
朝の瞑想
目覚めのタイミングは交感神経が優位なため、眠気を感じずに瞑想することができます。
短い瞑想でも、呼吸に意識を集中することで、心身をリフレッシュし、一日の始まりを清々しく迎えられます。
さらに、 朝の瞑想は、脳を活性化し、集中力を高める効果が期待できます。一日の始まりに心を落ち着かせることで、仕事や勉強への意欲を高め、効率的に取り組むことができます。
「『朝の瞑想』にはどんな効果がある?忙しい朝にできる瞑想のやり方4選」では朝の瞑想の詳しいやり方とその効果を紹介しています。ぜひご覧ください。
専門講師と一緒にマインドフルネスを実践する
瞑想を一人で行うとどうしても眠くなってしまうという方は、インストラクターの誘導がある瞑想クラスに出るのもおすすめです。「MELONオンライン」では15分の短めのクラスも用意しているため、眠くなりやすい方はまずは短めのクラスから始めてみるのはいかがでしょうか?
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まとめ|眠くなりやすい人は、短めの瞑想クラスから始めるのがおすすめ
今回は、瞑想時に眠くなる理由や寝落ちをせずに瞑想に集中する方法を解説してきました。
マインドフルネス瞑想は練習していくうちに、不思議と眠くならなくなっていきます。瞑想の練習を続けていくと、眠気と覚醒のちょうど間の状態の感覚がだんだんと体感できるようになるので、ぜひ楽しみながらマインドフルネス瞑想を続けてみてください。