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感情が抑えられなくなる扁桃体ハイジャックとは?対処法を解説

扁桃体ハイジャック

「つい、カッとなって我を忘れて怒鳴ってしまった」
「緊張で頭が真っ白になってしまった」

といった経験はありませんか?

これは、「扁桃体ハイジャック」が原因かもしれません。「扁桃体ハイジャック」とは、何らかの原因によって脳の扁桃体が暴走し、感情がコントロールできなくなる状態のことです。

感情をコントロールできないと、人間関係でトラブルを招くだけでなく、心身にも悪影響を及ぼす可能性があります。そこで今回は、「扁桃体ハイジャック」がなぜ起きるのかやその対処法を紹介します。

扁桃体ハイジャックとは?

扁桃体ハイジャックを連想させる脳のイメージ画

扁桃体ハイジャックとは、ダニエル・ゴールマンの著書『EQ こころの知能指数』のなかで提唱されている概念で、扁桃体の過剰な反応により感情がコントロールできなくなり、理性的な思考や行動がとれなくなることです。

扁桃体とは?

扁桃体を説明するイラスト

扁桃体とは、脳内の側頭葉や海馬の近くに位置するアーモンド型の小さな器官のこと。マイナスの感情に関連する部位で、不安や恐怖を強く感じると活性化することがわかっています。

扁桃体は、人類が生存のために発達させてきた大切な危機回避アンテナでもあります。太古の昔、一瞬の迷いが命取りになる危機的な状況で、少しでも長く生き延びられる選択を瞬時に判断するために発達してきました。


扁桃体について詳しく知りたい方は「『扁桃体・前頭前野』を鍛えるトレーニングとは?マインドフルネス瞑想が効果的」こちらの記事もぜひご覧ください。

扁桃体ハイジャックはなぜ起こるのか?

脳の中の原始的な部分である扁桃体は、危険を察知するとアドレナリン・コルチゾールを分泌し、闘争・逃走反応を起こし、感情や思考を司る脳の機能を停止させる「扁桃体ハイジャック」を起こします。

通常、私たちの脳は、感情を司る扁桃体と、理性的な判断を司る前頭葉がバランスを取りながら働いています。しかし、ストレスや強い感情、十分な睡眠不足などによって、このバランスが崩れると、扁桃体が過剰に反応し、扁桃体ハイジャックが起こりやすくなります。

参考:Leonard C. Orji1ら(2024). AMYGDALA HIJACK: CONTEMPORARY INSIGHTS INTO CAUSES, CORRELATES AND CONSEQUENCES. African Journal of Health Nursing and Midwifery,7,(3).

扁桃体ハイジャックに即効性のある対処法

扁桃体ハイジャックに効果的な方法

扁桃体ハイジャックが起きたときは、どうすればいいのでしょうか?

ここでは、怒りを抑えられない時を例に、即効性のある対処法を4ステップで紹介します。感情がコントロールできない状況に陥った際は、1〜4の方法を順番に試してみてください。

(1)「怒り」を認識する

まずは、自分の中の「怒り」という感情を客観視します。これらの感情を感じていることを理解し、「怒り」と「実際に怒っている自分」を同一視せず、「怒り」が自分の中で発生していると認識することが大切です。

(2)「怒り」を受け入れる

「怒り」を認識できたら、次はそれを受け入れます。「怒ってはいけない」と自分に言い聞かせるのではなく、素直に「自分が怒っている事実」を受け入れましょう

(3) 体の変化を観察する

「怒り」を受け入れられたら、次は「怒り」を感じていることで自分の身体に、どのような変化が起きているかを観察します。

「呼吸の速度」や「心拍数」「筋肉のこわばり」などの変化に気づきましょう。

(4)「怒り」を手放す

次に、客観的に認識した怒りの感情を、他人事のように手放していきます。

(1)で「怒り」と「実際に怒っている自分」を同一視しなくなっています。そのため、この段階では比較的、怒りから距離を置きやすいでしょう。


怒りの抑え方について詳しく知りたい方は、「イライラの原因とは?怒りを感じたときすぐに実践できる対処法を紹介」も参考にしてください。

扁桃体ハイジャック対策には「マインドフルネス瞑想」が効果的

自然の中で瞑想をする女性

一時的に感情がコントロールできるようになっても、またすぐに元の状態に戻ってしまっては意味がありません。

扁桃体ハイジャックをそもそも引き起こさない対策として、マインドフルネスがおすすめです。マインドフルネスにより、さまざまな効果を得られることが科学的に解明されています。


マインドフルネスの効果と研究について詳しく知りたい方は「マインドフルネス瞑想の効果とは?エビデンスに基づく9つの研究を解説」で解説しています。ぜひご覧ください。

扁桃体を鍛える効果がある

マインドフルネス瞑想を継続して行うことで、扁桃体が鍛えられます。上記でも解説したとおり、扁桃体は不安や恐怖などのマイナスな感情に関連しています。

扁桃体が鍛えられることでネガティブな感情に耐性がつき、扁桃体ハイジャックの対策となります。


マインドフルネスと怒りの感情との関係について詳しく知りたい方は、「マインドフルネスで怒りの感情を抑えられる?反芻思考にも効果的」の記事もぜひご覧ください。

EQが高まる

マインドフルネス瞑想には、EQが高まる効果もあります。EQとは、「心の知能指数」ともいわれる、感情を上手にコントロールする能力のことです。

EQが高まることによって、自分の中に起こっている「怒り」「イライラ」「不快」などの感情に気づく力が高まります。自分の感情を客観視できるようになるため、ネガティブな感情に支配されにくくなります。


EQについて、もっと詳しく知りたい方は「EQ(=心の知能指数)を組織に活かす3つのアプローチとは?」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ|扁桃体を鍛えて感情と上手に付き合おう

今回は、「扁桃体ハイジャック」が発生する原因とその対処法を紹介しました。

「感情が制御できなくなっている」「怒りが止まらなくなってしまっている」などと気が付いた時は、扁桃体ハイジャックに即効性のある対処法をぜひ試してみてくださいね。

また、日ごろからマインドフルネスを練習することで扁桃体が鍛えられ、感情のコントロールがうまくなるので、ぜひ生活に取り入れてみてください。


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