寝ながら瞑想で簡単リラックス!5分でできる瞑想のやり方や効果を解説
マインドフルネスでよくあるお悩みが「あぐらをかくのが苦手で座って瞑想するのが辛い」「毎日家事や仕事で忙しくて、まとまった時間が作れない」といった、座った姿勢での瞑想がなかなか続けられないというもの。
そんな方にぜひおすすめなのが、「寝ながら行う瞑想」です。横になった姿勢で行うため、「寝る前」や「起床後」など、布団に入ったまま実践できます。忙しくて時間がない方でも習慣化しやすいのが特徴です。
今回は、MELONインストラクターの林 有加里さんへのインタビューをもとに「寝ながらでもできる瞑想のやり方」を紹介します。さらに、寝ながら行う瞑想の効果や注意点、より効果が深まる方法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
マインドフルネスとはなにか?を知りたい方は、専門家が解説する「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をぜひご覧ください。
瞑想は寝ながらでもできる?
瞑想というと、一般的には座って行うイメージが強いですが、寝ながらでも十分に瞑想の効果を実感できます。
忙しい日々を送っている方や、なかなか瞑想の時間を取れない方でも、寝ながら瞑想であれば寝る前にほんの数分で取り入れられるので習慣化がしやすく、効果を実感しやすくなります。
さらに、寝ながら行うことによってスムーズに睡眠に入れたり、翌朝すっきり目覚められるなど、通常の瞑想とは違った効果も期待できます。
瞑想の「座り方・姿勢」についてさらに詳しく知りたい方は、「あぐらNGでも大丈夫!瞑想の正しい姿勢・座り方で効果を実感」をご覧ください!
寝ながらできる瞑想の種類とやり方
瞑想は横になって行うことができるものも多くあります。ここでは、初心者の方でも行いやすい、寝ながらできる瞑想をやり方とともに紹介します。
「マインドフルネス瞑想のすごい効果とは?毎日5分でも驚きの効果!」の記事では瞑想で得られる効果について、さらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【動画あり】基本のマインドフルネス瞑想
基本のマインドフルネス瞑想は、自分の呼吸に意識を向ける瞑想法です。「呼吸瞑想」としてもよく知られている瞑想法で、ストレス解消や集中力向上などの効果があります。
動画では、座って瞑想を行っていますが、横になった状態でも行うことができます。
(1)仰向けになり身体の位置を微調整する
まず仰向けになり、腕は身体の横にそっと置きます。手のひらは上向きにすることで胸が開き、呼吸がしやすくなります。
足を腰幅程度に開き、身体の中心に背骨がくるように手足の位置を微調整してください。
目は軽く閉じておきましょう。
(2)自然な呼吸に意識を向ける
次に呼吸に意識を向けます。呼吸はコントロールしようとせずに、身体の中から沸き起こってくる「ありのままの呼吸」を行いましょう。
基本的には鼻呼吸で行いますが、辛ければ口呼吸でも大丈夫です。
「鼻先に空気が出入りする感覚」「お腹や胸が膨らんでへこむ感覚」「身体が床についている感覚」など、呼吸をすることによって生じる身体の感覚に意識を向けましょう。
(3)思いや考えが浮かんできたら、そっと呼吸に意識を戻す
しばらく呼吸に意識を向けていると、思いや考えが浮かんでくることもあるでしょう。しかし、思いや考えが浮かんできても大丈夫です。
「今、〇〇のことを考えていたな」と気づいて、そっと呼吸に意識を戻しましょう。
この一連の流れを数分間続けます。
【動画あり】ボディスキャン瞑想
ボディスキャン瞑想は、身体の感覚に意識を向けて観察する瞑想法です。足先から頭にかけて、体のすみずみまで観察していきます。
リラックス効果が高いため、睡眠前にぴったりな瞑想法といえます。
動画では、座って瞑想を行っていますが、横になった状態でも行うことができます。
(1)仰向けになり姿勢を整える
呼吸瞑想と同様に、仰向けになって姿勢を整えます。身体を床に預けるようにしながら、手足の位置を微調整しましょう。
(2)身体の各部分に意識を向ける
次に「身体の各部分の感覚」に意識を向けていきます。
足先から頭にかけて、体の隅々まで観察していきましょう。順番は「足先から頭まで」「頭から足先まで」のどちらでも大丈夫です。
(例)足先、足裏、足首、ふくらはぎ、すね、太もも、お尻、腰のあたり、背中、お腹、胸、肩、腕、首、顔、頭という順番で、これらの部位一つ一つにスポットライトを当てていくイメージを持つといいでしょう。
(3)全身を感じながら呼吸を繰り返す
身体の各部分に意識を向け終えたら、最後に全身の感覚に意識を向けます。
そのまま、自然な呼吸を何度か繰り返しましょう。
ボディスキャン瞑想についてさらに詳しく知りたい方は、「寝ながらできるボディスキャン瞑想とは?効果を解説|やり方を動画で紹介」をご覧ください。
【動画あり】慈悲の瞑想
慈悲の瞑想とは、「自分」や「他者」を思い受かべて、祈りの言葉を唱える瞑想法です。主に、共感力やEQ(心の知能指数)を高める効果があります。
(1)仰向けになり呼吸に意識を向ける
「基本のマインドフルネス瞑想」と「ボディスキャン瞑想」と同じく、最初は仰向けになって姿勢を整えましょう。動画では、座って瞑想を行っていますが、横になった状態でも行うことができます。
姿勢を整えたら、まず呼吸に意識を向けます。身体の感覚を感じながら、呼吸を何回か繰り返しましょう。
(2)自分のことを思い浮かべて祈りの言葉を唱える
次に、自分自身を思い浮かべながら、心の中で慈悲の言葉を唱えていきます。
「私の悩み苦しみがなくなりますように」
「私の願いが叶いますように」
「私が幸せでありますように」
と祈りながら唱えましょう。
(3)「自分の大切な人たち」「世界中の人たち」のことを思い浮かべて祈りの言葉を唱える
同様に、家族や友達、恋人など「自分の大切な人たち」や「世界中の人たち」のことを思い浮かべながら、慈悲の言葉を唱えていきます。
「私の大切な人たちの悩み苦しみがなくなりますように」
「私の大切な人たちの願いが叶いますように」
「私の大切な人たちが幸せでありますように」
「世界中の人たちの悩み苦しみがなくなりますように」
「世界中の人たちの願いが叶いますように」
「世界中の人たちが幸せでありますように」
と祈りながら唱えましょう。
慈悲の瞑想についてさらに詳しく知りたい方は、「「慈悲の瞑想」とは?すごい効果・やり方を解説!慈悲のフレーズやコツも紹介」をご覧ください!
寝ながら瞑想で得られる効果やメリットは?
瞑想にはさまざまな良い効果がありますが、ここでは寝ながら行う瞑想ならではのメリットを3つ紹介します。
短時間で脳が休まる
瞑想中は、脳内のデフォルトモードネットワークと呼ばれるネットワークが抑制される傾向があることが明らかになっています。このネットワークの過剰な活性化は、不安やストレスにつながるといわれており、瞑想による抑制がリラックスをもたらすのです。
横になった楽な状態で瞑想することにより、このリラックス効果を早く得ることができ、集中がより深まり、短時間でも脳が休まります。
「瞑想中に脳で何が起きている?マインドフルネス瞑想の効果を脳科学者が解説!」の記事では、瞑想の効果について脳科学的観点から解説しています。ぜひ読んでみてください。
身体全体が地面に触れているため、感覚に意識を向けやすい
瞑想を寝ながら行うことで、「座って行う瞑想」よりも床に触れている身体の部分が多くなります。
そのため、全身が床に触れている感覚や、呼吸により胸やお腹が膨らむ感覚に意識を向けやすいでしょう。
スムーズに睡眠に入れる
マインドフルネス瞑想を寝るタイミングで行うことで、リラックスした状態のまま眠りにつくことができます。
マインドフルネスで睡眠の質を向上するのはもちろんのこと、翌日のパフォーマンスが向上したり、日中の眠気が減るという研究結果もあります。
参考:Lauren E. Guerrieroら (2019). Meditation, Sleep, and Performance. OBM Integrative and Complementary Medicine, 4, (2).
「マインドフルネス瞑想は睡眠を改善する効果がある?研究事例も紹介!」の記事では、マインドフルネスの睡眠効果について解説しています。ぜひ読んでみてください。
寝ながら瞑想を行う際の注意点
ここでは、寝ながら瞑想を行う際の注意点を解説します。
部屋の温度を調節する
寝ながら瞑想を行う場合は、事前に部屋の温度を調節しておくことをおすすめします。暑すぎたり寒すぎたりせず、自分にとって快適な温度に調節しましょう。
「寒い」「暑い」という感覚に意識を向けるのも瞑想のトレーニングとして有効ですが、慣れるまでは「快適でストレスのない環境」を作ることが大切です。
慣れるまでは音楽をかけないほうがいい
人によっては「音楽をかけてリラックスをしながら瞑想をしたい」という方もいるでしょう。しかし、瞑想に慣れるまでは音楽をかけないことをおすすめします。
音楽をかけると、どうしても意識が音に向いてしまい、瞑想の効果が十分に得られない場合があるからです。
ただ、「音楽をかけないと落ち着かない」という方はなるべく静かで歌詞の入っていない音楽をおすすめします。
寝過ごしに注意
朝、起床時にマインドフルネス瞑想を行うことで、すっきりと起きることができ、その日一日のパフォーマンスが向上します。しかし、寝ながら行うことでリラックス効果が増し、そのまま二度寝に入ってしまうケースも少なくありません。
対策として、事前にタイマーをセットしておくことをおすすめします。
効果を感じにくい場合
寝ながら瞑想を続けていてもあまり効果が感じられなかったり、上手くできているか不安なときは、プロのインストラクターと一緒に瞑想を行うのもおすすめです。MELONではオンライン・マインドフルネスサービス「MELON オンライン」を提供しています。
マインドフルネス初心者の方、独学だと上手くできない方、やり方が正しいのか不安な方も、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターが丁寧にわかりやすくレッスンを行うので安心です。
寝る前に寝転んで瞑想を行う「Sleep」など、寝ながらできる瞑想のレッスンもありますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。
寝ながら瞑想についてよくある質問
Q:「寝ながら行う瞑想」はどんな人におすすめ?
A:座って瞑想するのが苦手な人や、忙しくて時間がない人
うまくあぐらをかけない人や、座っていると足が痛くなってしまう人など、座りながら瞑想するのが苦手な方は、横になって行う瞑想がおすすめです。
また、忙しくてなかなか時間がとれない方にもおすすめです。寝る前のひとときに行うことができるので、マインドフルネスの習慣化につながります。
Q:瞑想を寝ながら行うおすすめのタイミングは?
A:寝る前や起床時、また気分が落ち着かないときに行うと効果的
(1)寝る前
寝る前に瞑想を行うことでスムーズに深い睡眠に入りやすくなります。
特に、「なかなか寝つけない」「睡眠中に目が覚める」という方は、ベッドの中に入り、寝ながら瞑想を行うことで改善が見込めます。
(2)朝起きた時
朝に目覚めたタイミングで起き上がらず、そのままの姿勢で瞑想ができます。朝に瞑想を行うことで、思考がスッキリして1日の集中力が高まるでしょう。
「朝起きるのが辛い」「なかなか布団から出られない」という方は、朝目覚めたタイミングで、そのまま瞑想をしてみてはいかがでしょうか。1日を気持ちよくスタートできますよ。
(3)疲れているときや心が落ち着かないとき
勉強や仕事で疲れているときや、なんだか落ち着いて物事が考えられないときなどは、一度横になって瞑想を行うといいでしょう。体勢が変わることで気分の切り替えができ、寝ながら瞑想することで、だんだん気持ちが落ち着いてきます。
時間がない場合は、5〜10分だけでも十分な効果が期待できるでしょう。
Q:姿勢は「横向き」や「うつ伏せ」でも大丈夫?
A:基本的には仰向けがおすすめですが、リラックスできる姿勢で
寝ながら瞑想を行う場合、基本的には仰向けで行います。仰向けのほうが身体が安定して、呼吸や感覚に意識を向けやすくなるからです。
ただ、人によっては「仰向けだと呼吸がしにくい」「仰向けが苦手」という方もいるでしょう。その場合は、「横向き」や「うつ伏せ」でも問題ありません。自分の一番楽な姿勢で瞑想を行いましょう。
Q:瞑想を寝ながら行っている途中で眠ってしまっても大丈夫?
A:問題ありません。「眠りそうになっている」ことに気づくことも大切です
「瞑想を寝ながら行っている途中で眠ってしまっても大丈夫?」「眠ってしまったら効果が無くなる?」と心配になる方もいるでしょう。しかし、途中で寝てしまっても問題ありません。
その際に、「眠りそうになっている」ことに気づくことを意識してみましょう。これを意識するだけでも、瞑想をより深める練習になります。
具体的には、眠くなったときに「眠い」「寝そうになっている」ということに気づいたら、眠気から起こる「体の感覚」や「呼吸」に意識を向けてみましょう。
それでももし眠ければ、そのまま眠ってしまっても問題ありません。眠いのに、無理に我慢して「起きていなきゃ」と思う必要はないので安心してください。
「瞑想すると眠くなる理由と集中するためのヒントを紹介!眠くならない瞑想も」の記事では眠くなってしまう時の対処法や寝落ちせずに瞑想を続けるためのヒントを紹介しています。毎回眠くなってしまう人はぜひご覧ください!
まとめ|寝ながら瞑想でマインドフルネスを習慣化しよう
今回は、寝ながら行う瞑想のやり方や効果、注意点などを解説しました。
寝ながら行う瞑想は、「座って瞑想するのが苦手な人」や「忙しくて時間が取れない人」などにおすすめです。
マインドフルネス瞑想を継続して行うことで、睡眠の質が上がったり、翌日のパフォーマンスが向上するなど、さまざまな良い効果をもたらすことが明らかになっています。一日5~10分でいいので、寝る前や起床後に瞑想を取り入れてみてくださいね。