寝る前におすすめの瞑想のやり方を動画で紹介!効果やポイントを解説
「なかなか眠りにつけなくて困る」「寝てもすっきりしない」というようなお悩みはありませんか?そんなときは寝る前にマインドフルネス瞑想を行うのがおすすめです。
マインドフルネス瞑想には自律神経を整え、ストレスを軽減する効果があり、睡眠に関するあらゆる悩みの解消が期待できます。
今回はマインドフルネス認定講師である甲斐孝枝さん監修のもと、寝る前のマインドフルネス瞑想の効果や具体的な実践方法を、動画を交えながら詳しく解説します。
マインドフルネスとは何かをまず知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
寝る前のマインドフルネス瞑想で得られる効果
マインドフルネス瞑想は自律神経を整え、睡眠やストレスにうれしい効果をもたらします。ここでは、特に寝る前に瞑想を行うメリットをご紹介します。
眠りに入りやすくなる
マインドフルネス瞑想は自律神経を整え、入眠を促します。
自律神経とは、交感神経と副交感神経からなる神経系で、呼吸や消化などの無意識の機能を調節しています。交感神経が優位のときは体が活動的な状態となり、副交感神経が優位のときは休息状態に入ります。
交感神経が優位のときは、副交感神経が優位のときに比べ睡眠が浅くなってしまうことが研究によって明らかになっています。
そのため自律神経を整え、寝るときに副交感神経が優位になることが大切ですが、ストレスで自律神経のバランスは崩れやすくなります。
自律神経が乱れているときに効果的なのがマインドフルネスです。マインドフルネス瞑想によって副交感神経が安定し、ストレスに対する心理的な緊張が減少することが研究で明らかになっています。これにより自律神経のバランスが改善され、眠りに入りやすくなります。
特に夜マインドフルネス瞑想を行うと、副交感神経が優位になります。不眠に悩んでいる場合は、夜に瞑想を行うのがおすすめです。
参考:片岡直也ら(2021).心理ストレスに対する交感神経反応と行動反応の中枢神経メカニズム.自律神経,58巻,1号.
参考:安部泰弘ら(1996).睡眠時における体動と自律神経活動の関係.テレビジョン学会技術報告,20巻,63号.
参考:宮崎伸一ら(2023).ヨーガ・マインドフルネス瞑想が心拍変動および心理状態に与える影響.中央大学保健体育研究所紀要,41号.
睡眠の質が高まる
前述のとおり、マインドフルネス瞑想を取り入れることで自律神経が整い、副交感神経が安定します。その結果、夜間はリラックス状態となって睡眠が深まり、質の高い睡眠がとれるようになります。
夜中に目が覚めてしまったり、目覚めた後に再度寝付けなくなったりといった「睡眠の悩み」の解消が期待できます。また朝起きたときに「今日は良く寝たな」と感じることも増えるでしょう。
研究によれば、マインドフルネス瞑想を実践した群は、していない群と比べて睡眠への満足感が高まるだけでなく、その効果が5〜12か月以上も持続すると示されています。
参考:Heather L Ruschら (2018). The effect of mindfulness meditation on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Annals of the New York Academy of Sciences, 1445, (1).
ストレスの緩和
「寝ようとするとあれこれ嫌なことを考えてしまって眠れない」という方も多いかと思います。ストレスで寝つきがよくない方にもマインドフルネス瞑想は効果的です。
マインドフルネスにはストレスの緩和効果があり、下記の研究ではマインドフルネスのオンラインコースを6週間受講することで、ストレスが減少したと明らかになりました。
ストレスを感じると交感神経が活発になり、睡眠の質を低下させる要因になります。また、仕事や日常生活のストレスや不安感を抱えると、そもそも寝付けなくなってしまうこともあります。そんな場合はマインドフルネス瞑想を取り入れて、ストレスに対応する力をつけることがおすすめです。
参考:Larissa Bartlettら (2021). Mindfulness Is Associated With Lower Stress and Higher Work Engagement in a Large Sample of MOOC Participants. Frontiers in Psychology,12.
寝る前に5〜10分でできるマインドフルネス瞑想3選【動画】
ここでは、寝る前に5〜10分で実践できるマインドフルネス瞑想の方法を動画とともに紹介します。
動画内でインストラクターが誘導するので、声に従って行うといいでしょう。また、動画では座位で行っていますが、寝たままでも問題ありません。
(1)呼吸瞑想
ここでは、寝ながらできる「呼吸瞑想」のやり方を紹介します。慣れないうちは5分〜10分くらいを目安に行い、慣れてきたら実践時間を増やしていきましょう。
STEP1:仰向けになり身体の位置を微調整する
まず仰向けになり、腕は身体の横にそっと置きます。手のひらは上向きにすると胸が開き、呼吸がしやすくなります。
足を腰幅程度に開き、身体の中心に背骨がくるように手足の位置を微調整してください。目は軽く閉じておきましょう。
STEP2:自然な呼吸に意識を向ける
次に呼吸に意識を向けます。呼吸はコントロールしようとせずに、身体の中から沸き起こってくる「ありのままの呼吸」を行いましょう。
基本的には鼻呼吸ですが、辛ければ口呼吸でも大丈夫です。
「鼻先に空気が出入りする感覚」「お腹や胸が膨らんでへこむ感覚」「身体が床についている感覚」など、呼吸をすることによって生じる身体の感覚に意識を向けましょう。
STEP3:思いや考えが浮かんできたら、そっと呼吸に意識を戻す
しばらく呼吸に意識を向けていると、思いや考えが浮かんでくることもあるでしょう。
しかし、思いや考えが浮かんできても大丈夫です。
「今、〇〇のことを考えていたな」と気づいて、そっと呼吸に意識を戻しましょう。
この一連の流れを数分間続けます。
基本的なマインドフルネス瞑想の効果・やり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
(2)ボディスキャン瞑想
ここでは、寝ながらできる「ボディスキャン瞑想」のやり方を紹介します。
最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていくでしょう。
STEP1:仰向けになり姿勢を整える
呼吸瞑想と同様に、仰向けになって姿勢を整えます。
身体を床に預けるようにしながら、手足の位置を微調整しましょう。
STEP2:身体の各部分に意識を向ける
次に「身体の各部分の感覚」に意識を向けていきます。
足先から頭にかけて隅々まで観察していきましょう。順番は「足先から頭まで」「頭から足先まで」のどちらでも大丈夫です。
(例)「足先、足裏、足首、ふくらはぎ、すね、太もも、お尻、腰のあたり、背中、お腹、胸、肩、腕、首、顔、頭」
これらの部位一つ一つにスポットライトを当てていくイメージを持つといいでしょう。
STEP3:全身を感じながら呼吸を繰り返す
身体の各部分に意識を向け終えたら、最後に全身の感覚に意識を向けます。全身を感じながら、自然な呼吸を何度か繰り返しましょう。
ボディスキャン瞑想の効果・やり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
(3)慈悲の瞑想
ここでは、寝ながらできる「慈悲の瞑想」のやり方を紹介します。
「慈悲の瞑想」では、自分や他者に思いやりの気持ちを向けていきます。慣れないうちは少しわかりにくいかもしれませんが、動画のガイドに従って実践すると少しずつ効果を実感できるようになるでしょう。
STEP1:仰向けになり呼吸に意識を向ける
「呼吸瞑想」と「ボディスキャン瞑想」と同じく、最初は仰向けになって姿勢を整えましょう。
姿勢を整えたら、まず呼吸に意識を向けます。身体の感覚を感じながら、呼吸を何回か繰り返しましょう。
STEP2:自分のことを思い浮かべて祈りの言葉を唱える
次に、自分自身を思い浮かべながら、心の中で慈悲の言葉を唱えていきます。
「私の悩み苦しみがなくなりますように」
「私の願いが叶いますように」
「私が幸せでありますように」
と祈りながら唱えましょう。
STEP3:「自分の大切な人たち」「世界中の人たち」のことを思い浮かべて祈りの言葉を唱える
同様に、家族や友達、恋人など「自分の大切な人たち」や「世界中の人たち」のことを思い浮かべながら、慈悲の言葉を唱えていきます。
「私の大切な人たちの悩み苦しみがなくなりますように」
「私の大切な人たちの願いが叶いますように」
「私の大切な人たちが幸せでありますように」
「世界中の人たちの悩み苦しみがなくなりますように」
「世界中の人たちの願いが叶いますように」
「世界中の人たちが幸せでありますように」
と祈りながら唱えましょう。
慈悲の瞑想の効果・やり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
寝る前のマインドフルネス瞑想は2か月は継続させる
寝る前に瞑想を行うと、副交感神経が活発化して体がリラックスし、眠りにつきやすくなります。
効果をすぐに実感できる人もいますが、すぐには劇的な変化を感じられない場合もあります。
研究によると、マインドフルネスのプログラムは2か月継続することで、効果が徐々に実感できるようになると示されています。
マインドフルネスには睡眠に関するものだけでなく、感情をコントロールする力をつけるなどさまざまなメリットがあります。まずは2か月継続を目指しましょう。
参考:Ietsugu Tetsujiら(2014). Gradually getting better: Trajectories of change in rumination and anxious worry in mindfulness-based cognitive therapy for prevention of relapse to recurrent depression. Mindfulness,6.
やり方が合っているか、うまくいっているかわからないという人もご安心ください。
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マインドフルネス瞑想の基本を、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターから学ぶことで、正しい瞑想方法が身につきます。
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まとめ|寝る前のマインドフルネス瞑想で良質な睡眠とストレス緩和を
今回は寝る前のマインドフルネス瞑想のメリットと実践方法を詳しくご紹介しました。
マインドフルネス瞑想には、自律神経を整える効果や、ストレスを軽減する効果があります。これらの効果によって眠りに入りやすくなり、質の良い睡眠をとることができます。
今回ご紹介した瞑想法は寝たままでも実践できます。瞑想中に眠気を感じたらそのまま眠りにつくこともできますので、眠る準備を整えて行うのもおすすめです。
睡眠は日中のパフォーマンスや気分にも影響します。ぜひ今回ご紹介した瞑想法を試してみてくださいね。
「マインドフルネスの効果が出るまでの期間」「継続するコツ」「実践する時間帯」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。