マインドフルネス前の「腹式呼吸」で集中!呼吸のやり方や効果を紹介
マインドフルネス瞑想を実践してみたけど、「呼吸がよくわからない」「考え事や思いで頭がいっぱいになる」という経験はありませんか?
そんな方は、マインドフルネス瞑想の前に「腹式呼吸」などの呼吸法を行っておくことで、集中して瞑想に取り組めます。
今回は、MELONインストラクターの川井 千佳さん監修のもと、マインドフルネス瞑想を行う前におすすめの「腹式呼吸」について解説します。具体的なやり方や得られる効果など、詳しく紹介するのでぜひ参考にしてください。
マインドフルネスとはなにか?を知りたい方は、専門家が解説する「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をぜひご覧ください。
マインドフルネスの基本の呼吸はありのままの呼吸
マインドフルネスを行うときに「ありのままの呼吸で」と言われますが、初心者は感覚をつかむのが難しいですよね。
ありのままの呼吸とは、体から自然に湧き上がってくる呼吸のこと。つまり「リラックスしよう」「ゆっくり呼吸しなきゃ」といった意識を持たず、その時の体から自然に発生する呼吸を意味します。
そうはいっても特に初心者の方は、ついつい肩に力が入ってしまうことや、「うまくできない」と感じてしまうことがあるかもしれません。
そんなときにおすすめなのが「呼吸法」です。マインドフルネス瞑想の前に呼吸法を行うことで集中力を高めた状態で瞑想に入ることができます。
マインドフルネス瞑想前に行うおすすめの呼吸法「腹式呼吸」のやり方
ここでは、マインドフルネス瞑想前に行いたい「腹式呼吸」のやり方を具体的に解説します。
(1)姿勢を整える
まずは椅子や床に座って、姿勢を整えます。
肩や首の力を緩めて、背筋を真っすぐ伸ばしましょう。背筋を伸ばすことによって、身体の中に呼吸が入りやすくなります。
目は軽く閉じるか、薄く斜め下一点を見つめておきます。
手はヒザかモモの上あたりに置きましょう。手のひらを上向きにすることで、胸が自然と広がり呼吸がしやすくなります。
瞑想の「座り方・姿勢」についてさらに詳しく知りたい方は、「瞑想の正しい『姿勢・座り方』とは?あぐらがつらいときの対処法も紹介」をご覧ください!
(2)鼻から4秒吸って、口から8秒吐く
次に、腹式呼吸を行います。
おなかに手を当ててください。おなかを風船に見立てて、鼻から息を4秒吸って、口から8秒かけておなかをへこませるように息を吐きましょう。
手のひらで、おなかの「膨らんでいる感覚」「しぼんでいる感覚」を感じます。
(3)10回繰り返す
(2)を全部で10回ほど繰り返します。
もしできそうであれば、吐く息の時間を長くしてみるのもいいでしょう。
10回終わったら、呼吸を行う前と行った後の「身体の感覚の変化」に意識を向けてみます。呼吸がしやすくなっていることに気づくかもしれません。
その後、マインドフルネス瞑想を行いましょう。
マインドフルネス瞑想について詳しく知りたい方は「『マインドフルネス瞑想』の仕方・方法を初心者向けに解説|メリット・効能も紹介」をご覧ください!
腹式呼吸がおすすめな理由
マインドフルネス前の呼吸法として腹式呼吸がおすすめな理由は3つあります。
一般的に良く知られている呼吸法で、多くの人が行ったことがある
腹式呼吸は、一般的に良く知られている呼吸法の一つです。小学校の体育や音楽の時間に、「鼻から吸って口から吐く」と腹式呼吸を教えられた人も多いかもしれません。特別な知識がなくても、感覚を掴みやすく、すぐに行うことができます。
感覚がわかりやすい
鼻から息を吸うとおなかが膨らみ、口から吐くときに吐くときにしぼむので、体感としてわかりやすく、感覚に集中することができます。
腹式呼吸には自律神経を整える効果がある
腹式呼吸には、自律神経を整える効果があります。
腹式呼吸で長く息を吐くことによって、横隔膜という胸腔と腹腔の境にある膜状の筋肉をしっかり動かすことができます。腹式呼吸により横隔膜が動くと、副交感神経が優位になりやすくなります。
副交感神経が優位になり自律神経が整うことで、体がリラックス状態となり、気持ちも落ち着きやすくなるのです。
参考:坂木 佳壽美(2001). 腹式呼吸が自律神経機能に与える影響―臥位安静時の自律神経機能との関連. 体力科学, 50, (1).
呼吸法・腹式呼吸で「うまく息が吸えない」「呼吸が浅い」ときの対処法
腹式呼吸を行ったときに、「うまく息が吸えない」「呼吸が浅い」と感じる方もいるかもしれません。
ここでは、呼吸が浅いと感じたときの対処法を紹介します。
ストレッチやヨガなどで身体を動かす
うまく呼吸ができないと感じるときは、体が緊張している可能性があります。
身体を動かすことによって、緊張が緩み呼吸がしやすくなるため、事前にストレッチやヨガで身体を動かしておくことがおすすめです。
呼吸筋をほぐす
呼吸が浅いときは、事前に呼吸筋をほぐしておくのもおすすめです。
呼吸筋とは、主に「おなかの中にある横隔膜」と「肋骨の間にある肋間筋」などの呼吸に使われる筋肉のことです。
胸の下からわきの下、そして体の側面にかけて、手を軽くグーにして優しくこすってあげましょう。
こするだけでも呼吸筋がほぐれて、呼吸が深まりやすくなります。
マインドフルネス瞑想は「呼吸が浅い」と気づくことも大切
マインドフルネス瞑想では「呼吸が浅い」ということに気づくことも大切です。
うまく呼吸ができない場合は、無理に呼吸を頑張ろうとせずに「呼吸が浅いなあ」ということに気づいて、あえて変えようとせず、そのまま呼吸を続けてみましょう。
「今の状態に気づく」ということが、マインドフルネスをより深める練習となります。
マインドフルネス瞑想の呼吸に関するよくある質問
Q:マインドフルネス瞑想を行うときの呼吸はどうしたらいいの?
A:瞑想の最中は普段どおりの呼吸で大丈夫
マインドフルネスを行っていると、よく「呼吸に意識を向けましょう」と言われることがあります。特に初心者の方は意識的に呼吸をすることで、逆にわからなくなってしまうこともあるかもしれません。
マインドフルネスのゴールは、呼吸に集中し続けることではなく、「気づく」ことです。
例えば、呼吸している間に周りで何が起こっているか(鳥の鳴き声がしたり、車の音がしたり)、体の内側の反応(かゆくなってきたり、むずむずしてきたり)を感じて気づくことが大切です。
なので、意識して深い呼吸を行う必要はありません。呼吸に意識を向ける実践の中で起こる出来事を客観的に見続けることを目標に、自然な呼吸を心掛けてみてください。
Q:うまく集中できないときは?
A:マインドフルネス瞑想の前に呼吸法を行って集中力を上げる
マインドフルネス瞑想の最中に、さまざまな気づきや思いが巡り、意識が集中できないときもあるかもしれません。
そういう時にこそ、「呼吸法」が効果的です。特にイライラや焦りを感じているときに呼吸法を行うと、感情の高ぶりを抑える働きをします。心身がリラックスし、穏やかな状態になることで、マインドフルネスの効果を最大限に引き出すことができます。
腹式呼吸のほかにもハミング呼吸や片鼻呼吸など、いろいろな呼吸法があります。「マインドフルネス前のハミング呼吸・片鼻呼吸・ブランコ呼吸で集中力UP」ではハミング呼吸、片鼻呼吸、ブランコ呼吸を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
まとめ|マインドフルネス瞑想前の「呼吸法」で効果が深まる
今回は、マインドフルネス瞑想を行う前におすすめの呼吸法として、「腹式呼吸」について解説しました。
今回紹介した「腹式呼吸」を行ってからマインドフルネス瞑想を実践することで、より効果を深められるでしょう。
また時間がないときは、呼吸法だけでも、体の緊張が緩んだり、気持ちが落ち着くといった効果が期待できます。「忙しくて時間がない」「やる暇がない」という方は、呼吸法だけでも実践してみてくださいね。
「やっぱり呼吸がわからない」「いろいろな瞑想をもっと知りたい」という方は、オンラインレッスンがおすすめです。
MELONの「MELONオンライン」では、呼吸に特化した「Breath」というクラスも行っております。一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターが丁寧に分かりやすくレッスンを行うので安心です。
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