マインドフルネスヨガ(動く瞑想)とは?やり方やおすすめポーズ4選
マインドフルネスは継続が大切と知りつつも、「なかなか続かない……」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
長く続けるためには、いろいろな方法を試しながら自分に合った実践法を知るのがポイントです。今回は、身体を動かしながら実践できる「マインドフルネスヨガ(動く瞑想)」について、MELONインストラクターの林 有加里さんへのインタビューをもとに解説します。
マインドフルネスヨガ(動く瞑想)のメリットや一般的なヨガとの違いなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マインドフルネスの全体像を知りたい方は、専門家が解説する「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をぜひご覧ください。
マインドフルネスヨガ(動く瞑想)とは?
マインドフルネスヨガ(動く瞑想)は、その名の通り「ヨガを行いながら、五感を使ってマインドフルに身体を動かすこと」です。ヨガのポーズをとりながら「身体の感覚」「呼吸の変化」「心の様子」に気づき、マインドフルな感覚を育んでいきます。
マインドフルネスヨガは、自分の感覚に集中しやすいのが特徴です。そのため、座って行うマインドフルネス瞑想よりも、マインドフルネスヨガのほうが好きな方も多くいます。
マインドフルネスヨガとヨガの違い
通常のヨガは、「集中して心を静めるようなもの」が多いですが、マインドフルネスヨガは「自分の感覚に気付き、それを受け入れていくもの」です。
ここでは違いを詳しく解説します。
重視する点の違い
一般的なヨガの多くは ポーズ(アーサナ)を正確に美しく取り、体全体の柔軟性や筋力向上、体幹の安定などを目指します。ポーズの種類も豊富で、体力や柔軟性に合わせてさまざまなレベルのクラスがあります。
マインドフルネスヨガでは、 ポーズを取る際にただ体勢を保持するだけでなく、その時の体の感覚や呼吸に意識を集中します。ポーズの完成度よりも、自分自身の内側に向き合い、現在に意識を向けることを重視します。
目的の違い
一般的なヨガは健康促進や柔軟性の向上、ストレス解消など、身体的な効果を重視する傾向があります。
マインドフルネスヨガは、身体の感覚を通して心身に意識を向け、心の状態を穏やかにし、ストレスを軽減することを目的とします。集中力や自己認識力、心の安定感の向上も期待できます。
ポーズの種類
一般的なヨガにはさまざまなポーズがあり、難易度の高いポーズに挑戦することもあります。ポーズを繋ぎ合わせて流れるような動きを行うフローヨガなども人気です。
マインドフルネスヨガではポーズの種類は比較的少なく、シンプルなポーズをゆっくりと行います。ポーズを保持する時間も長めにとることが多く、呼吸と体の感覚に意識を集中することを重視します。
マインドフルネスヨガのほうが「メンタルケア」に適している
中国の広州医学大学研究チームは、複数の研究データを統合して分析するメタ分析を実施した結果、マインドフルネスヨガがうつ病患者の抑うつ気分の軽減など、症状改善に有効であることを明らかにしました。
このことから、一般的なヨガは、体を動かしながら汗をかきたい、ポーズをたくさん覚えたいという方に向いています。一方で、心の状態を落ち着かせたい、メンタルをケアしたいという方は、マインドフルネスヨガがおすすめです。
参考:Chuyuan Miaoら (2023). The effectiveness of mindfulness yoga on patients with major depressive disorder: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. BMC Complementary Medicine and Therapies, 23, (313).
マインドフルネスヨガ(動く瞑想)の効果
ここでは、マインドフルネスヨガ(動く瞑想)の効果や、座って行う瞑想とどのように違うのかについて解説します。
座って行う瞑想よりも感覚に意識を向けやすい
座って行う瞑想の場合、「感覚がわかりにくい」「正しくできているかわからない」と感じる方も多いでしょう。しかし、マインドフルネスヨガの場合、身体を動かすことによって注意を自分自身に向けやすくなり、より集中して取り組むことができます。
ヨガのポーズも一般的なヨガよりもゆっくりした動きで、難易度の高くないポーズで行うため、繊細に身体の感覚を感じられるでしょう。
またポーズの完成度ではなく、呼吸や体の状態に意識を向けることが重要なため、そのままの自分を受け入れることができ、自己受容(身体の内側の状況を察する力)が高まるといった効果もあります。
心のケアはもちろん、フィジカルのケアも同時に行える
マインドフルネスヨガでは、マインドフルに自分の感覚に意識を向けるという特性上、ストレス解消やメンタルケアに効果的です。
さらに、ヨガのポーズを行いながら実践するため、副次的な効果として、フィジカルのケアも同時に期待できます。
マインドフルネスによって得られる集中力アップや自己肯定感の向上という効果にプラスして、柔軟性などヨガによるフィジカル面の効果も得られます。
また、ヨガを行いながら身体の状態に集中することで、リラックスしたり、気持ちを落ち着かせたりできるのも、マインドフルネスヨガの効果の一つです。
【実践】マインドフルネスヨガ(動く瞑想)のやり方・おすすめヨガポーズ4選
ここでは、マインドフルネスヨガ(動く瞑想)の実践方法を解説します。
生活の中で気軽に取り入れられる4つのポーズを紹介するので、ぜひ試してみてください。
月のポーズ
- 椅子に浅めに腰を掛けます。背すじを伸ばし、足裏をピッタリと床につけましょう。
- 吸う息で、右手を天井に伸ばします。左手は「腰の当たり」か「椅子の座面」に置き、吐く息で身体を左に傾けてください。傾きは、わずかでも構いません。
- そこで少しキープして、のんびりと呼吸を繰り返しながら「身体の伸び」を丁寧に感じ取ります。(約30秒)
- ゆっくりと上体を起こして腕を下げます。身体の余韻を感じてみましょう。
- 逆も同じように行います。
ねこのポーズ
- 椅子に浅めに腰を掛けます。背すじを伸ばし、足裏をピッタリと床につけましょう。
- 胸の前で指を組みます。一息吸って、吐きながらその腕を前へ伸ばし、背中を丸くしておへそを覗き込んでいきましょう。
- そこで少しキープして、のんびりと呼吸を繰り返します。呼吸によって「背中が膨らんだり」「しぼんだり」する感覚を感じ取りましょう。(約30秒)
- 最後に一つ息を吐いたら、吸う息で上体を起こし手は楽な位置へ置きます。身体の余韻を感じてみましょう。
つるのポーズ
- 椅子に浅めに腰を掛けます。背すじを伸ばし、足裏をピッタリと床につけましょう。
- 背中の後ろで指を組みます。一息吸って、吐きながら手の甲を斜め下へ伸ばしましょう。目線を少し持ち上げて、肩と肩を寄せ合い胸を開きます。
- そこで少しキープして、のんびりと呼吸を繰り返します。呼吸によって「胸が広がったり」「緩んだり」する感覚を感じ取りましょう。(約30秒)
- 最後にもう一つ息を吸い、吐く息で手をほどいて楽な位置へ置きます。身体をリラックスさせて、余韻を感じてみましょう。
ねじりのポーズ
- 椅子に浅めに腰を掛けます。背すじを伸ばし、足裏をピッタリと床につけましょう。
- 右脚を左脚の上に乗せます。左手は右ももの上に置き、右手は椅子の「座面」か「背もたれ」に置きましょう。
- 息を吸いながら背すじを伸ばし、吐きながら身体を右にねじります。
- そこで少しキープして、のんびりと呼吸を繰り返します。身体の内側からわき起こる感覚を受け取っていきましょう。(約30秒)
- 逆も同じように行います。
まとめ|マインドフルネスヨガ(動く瞑想)で心と体を一緒にケア!
今回は、マインドフルネスヨガ(動く瞑想)のやり方やメリット、一般的なヨガとの違いなどを紹介しました。
座って行う瞑想が苦手な方でもマインドフルネスヨガであれば、ヨガのポーズを取りながら呼吸や身体の感覚に意識を集中することで心身が一体となり、より深くリラックスできます。さらにストレス軽減、集中力向上、柔軟性向上などの効果も期待できます。
「心と体を一緒にケアしたい」という方は、マインドフルネスヨガを試してみてはいかがでしょうか。
他にも「『マインドフルネス瞑想』やり方12選!初心者でも簡単に効果を実感できる方法をご紹介」では、初心者でもできる「さまざまなマインドフルネスのやり方」を紹介しています。自分に合ったマインドフルネスの方法を探してみてはいかがでしょうか。
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