ブログ

歩行瞑想の効果やメリットは?インストラクターがやり方とコツを解説

歩行瞑想

座って行うマインドフルネス瞑想をやってみたけど、「やり方が正しいのかわからない」「じっとしているのが苦手」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな方には「歩行瞑想(歩く瞑想)」がおすすめ。歩行瞑想は、歩きながら気軽に実践できるので、マインドフルネスに慣れていない方でも継続しやすいのが魅力です。

さらに、歩行瞑想では通常の瞑想の効果に加え、ダイエット効果や血圧の改善など運動としての効果も得られます。

今回は、MELONインストラクターの甲斐孝枝さん監修のもと、歩行瞑想のメリットや効果を解説します。具体的なやり方についてもコツを踏まえて紹介するのでぜひ実践してみてください。

歩行瞑想とは?

歩いている女性の足裏

歩行瞑想とはマインドフルネス瞑想の一種で、名前のとおり歩きながら行う瞑想法です。マインドフルウォーキングとも呼ばれています。

具体的には足裏の感覚に注意を向けて、丁寧に観察しながら歩きます

歩きながら実践できるので、座って行う瞑想では「足が痺れて集中できない」「座ってじっとしているのが苦手」という方にもおすすめです。

また、仕事や家事の息抜きや、目的地までの安全な場所での移動時間などに実践できるため、習慣化して継続しやすい瞑想法といえます。


マインドフルネスについて詳しく知りたい方は、「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をご覧ください。

歩行瞑想のメリットや効果は?

女性が自然の中を歩行瞑想している様子

歩行瞑想には、通常のマインドフルネス瞑想によって得られる効果はもちろん、歩行瞑想でしか得られない効果もあります。

ここでは、歩行瞑想によって得られるメリットや効果を3つ紹介します


一般的なマインドフルネスで得られるさまざまな効果は以下の記事で紹介しています。

日常に取り入れやすい

歩行瞑想のメリットとして、日常に取り入れやすいことが挙げられます。

例えば座って行う瞑想の場合、実践する時間を確保して行う必要がありますよね。しかし、歩行瞑想であれば、歩きながら実践できるので、生活の中に取り入れやすいです。

「通学や通勤の移動中」や「コンビニやスーパーまでの買い物の移動中」など、車や人の少ない安全な場所があれば、いつでも実践できます。

わざわざ瞑想のための時間を確保する必要がないため、これまで瞑想がなかなか続かなかった方でも継続しやすいでしょう。


以下の記事では、歩行瞑想以外にも日常に取り入れやすいさまざまなマインドフルネス瞑想のやり方を紹介しています。

ダイエット効果のある「食べる瞑想」や、運動としての効果のある「筋トレ瞑想」などを紹介しているので、自分に合った瞑想法を探してみてください。

不安やストレスを軽減できる

歩行瞑想には、不安やストレスを軽減できるという効果もあります。

瞑想には「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」の活動を抑える効果があることがわかっています。

DMNとは、脳が無意識かつ自動的に活発になる脳機能ネットワークのことで、DMNが過剰に活動すると、さまざまな雑念や思考が湧き、不安や後悔で頭がいっぱいになってしまいます。

そんなときに歩行瞑想を行い、歩いているときの感覚に意識的に注意を向けると、DMNの過剰な活動を抑えられ、不安や後悔にとらわれなくなり、ストレスも軽減できます。

なお、歩行瞑想の有効性について調査した研究では、数日間の歩行瞑想の実践によって「不安やストレスの減少」「うつ病の軽減」などの効果があることが実証されています。

参考:Rinske A. Gotinkら(2016). Mindfulness and mood stimulate each other in an upward spiral: a mindful walking intervention using experience sampling. Mindfulness, 7.

健康の増進につながる

健康の増進につながることも、歩行瞑想のメリットの一つといえます。

歩行瞑想は歩きながら実践するため、瞑想の効果だけでなく軽い運動としての効果も得られます。 

ウォーキングには次のようなさまざまな効果が認められるため、歩行瞑想を継続して実践すれば、健康づくりのサポートにも効果的であるといえます。

  • 体脂肪の減少による肥満解消効果
  • 血中の中性脂肪の減少
  • 血圧や血糖値の改善
  • 心肺機能の改善
  • 骨粗鬆症の予防

参考:e-ヘルスネット「ウォーキング」|厚生労働省

歩行瞑想のやり方【基本編】

女性が自然の中で歩行瞑想をしている様子の足の写真

ここでは、歩行瞑想の基本的なやり方をコツを踏まえて紹介していきます。

家の中ではもちろん、安全な場所であれば外でも実践できるので、ぜひ日常に取り入れてみてください。


また、実践する前に呼吸を整えておくのも大切です。呼吸を整えることで、瞑想の効果がより深まりやすくなります。

以下の記事では、瞑想前におすすめの腹式呼吸のやり方について紹介しているので、ぜひ試してみてください!

Step1:実践する場所と時間を決める

まずは、歩行瞑想を実践する場所と時間を決めます。

場所は家の中、もしくは安全な場所であれば外でも問題ありませんが、慣れないうちは家の中で行うことをおすすめします。

家の中で実践する場合

家の中で行う場合は、まずどこを歩くのかを決めましょう。

例えば、ダイニングテーブルの周りを歩いたり、ヨガマットを敷いて歩けるスペースを作るのもいいですね。もし、歩くスペースが取れない場合は、その場で足踏みしても問題ありません。

次に、実践する時間についてですが、最初のうちは負担のない範囲で大丈夫です。

「ダイニングテーブルを往復4〜5回」や「タイマーで5〜10分計る」など、どのくらい実践するのかを事前に決めておきましょう。慣れてきたら徐々に実践する時間を増やして、最終的には毎日20分ほど実践できるようになるのが理想です。

外で実践する場合

外で行う場合は、車や人にぶつからない安全な場所を選び「〇〇から〇〇まで歩く」というように、歩く範囲を決めましょう。

場所は、公園のような広い場所で行うのもいいですし、安全であれば家から目的地までの間でも大丈夫です。

実践時間は、家の中で行う場合と同じで、最初は負担のない範囲から始めてみましょう。

Step2:歩きながら足裏の感覚に注意を向ける

歩く場所や実践時間を決めたら、次は実際に歩いてみます。足裏の重心の移り変わりに意識を向けて歩いてみましょう。このときに、好奇心を持って初めて地面を歩くかのような気持ちを持つことが大切です。

足裏が地面に触れている感覚や、かかとからつま先まで、足裏のどの部分に踏みしめが起こっているのかなどを丁寧に感じ取ってください。歩くことで生じる足の感覚を隅々まで意識して歩き続けましょう。

Step3:雑念が湧いてきたら、そっと足裏の感覚に注意を戻す

しばらく歩き続けていると、思考や考え事などの雑念が湧いてくるでしょう。また、「疲れた」「早く終わりたい」などの苦痛な感情が出てくるかもしれません。

しかし、そのような雑念が湧いても、それを価値判断せずにありのまま受け入れてください。そして、「〇〇について考えている」「〇〇のことを気にしている」など、雑念が湧いたことに気づいて、そのままそっと足裏の感覚に注意を戻しましょう。

雑念が湧いてくる→それに気づいて受け入れる→足裏の感覚に意識を戻す

この工程を繰り返し行うことが、歩行瞑想においては大切です。

歩行瞑想のやり方【応用編】

女性が道路で歩行瞑想をしている様子の足の写真

歩行瞑想の基本的なやり方を紹介しましたが、歩行瞑想には、他にもさまざまなやり方があります。ここでは、歩行瞑想の応用編を3つ紹介するので、自分がやりやすい方法を試してみてください。

(1)ラベリング(実況中継)をしながら行う

歩行瞑想の応用として、「ラベリング(実況中継)しながら行うやり方」があります。ラベリングとは、いまこの瞬間の出来事を言語化することです。

具体的には、歩きながら右足の感覚を受け取ったら「右足」、左足の感覚を受け取ったら「左足」というように、実況中継をするようにラベリングしていきましょう。

また、足が着いたときは「着いた」、足が離れたときは「浮いた」「離れた」というようにラベリングするのもおすすめです。

(2)呼吸と歩数を合わせながら行う

「呼吸と歩数を合わせながら行うやり方」もおすすめです。

例えば、息を吸いながら「右→左」と2歩進み、息を吐きながら「右→左→右→左」と4歩進みます

普段自分が歩く速さで、リズムを保って歩き続けてみましょう。なお、歩数は「歩く速さ」や「息の長さ」によって、柔軟に変えても大丈夫です。

また、イライラしていたり心が落ち着かなかったりするときは、吐く息をできるだけ長く行うのがおすすめです。吐く息を長くすることで副交感神経が優位になり、自律神経が整いやすくなります

(3)体全体を使って感覚を受け取る(慣れてきた方向け)

慣れてきた方向けの歩行瞑想のやり方として、「体全体を使って感覚を受け取っていく」という方法もあります。

基本の歩行瞑想では、主に「足裏の感覚」に意識を向けていましたが、この方法ではさらに体全体を使ってさまざまな感覚を受けとっていくのです。

例えば、歩きながら次のような感覚を感じていきます。

  • 太ももや肩が上がる感覚
  • 体が振動する感覚
  • 肌に触れる空気の感覚
  • 香りや聞こえてくる音
  • 目に映る景色

まとめ|歩行瞑想は習慣化して継続することが大切

今回は、歩行瞑想の具体的なやり方やメリット・効果などについて解説しました。

歩行瞑想は日常に取り入れやすい瞑想法です。さらに、通常のマインドフルネス瞑想による効果に加え、有酸素運動による健康面への効果もあり、座って行う瞑想が苦手な方や、初心者の方にもおすすめです。

ぜひ、今回ご紹介したやり方を試して歩行瞑想を習慣化し、心身ともに健康な自分を手に入れてください。


「一人だとなかなか続かない」「座って行う瞑想は苦痛」と感じていませんか?もしかするとその悩みは「正しいマインドフルネス瞑想」を身につけることで解決できるかもしれません。

MELON オンライン」では、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターから、さまざまなマインドフルネス瞑想が学べます。インストラクターの誘導があることで瞑想に集中しやすくなり、効果も感じやすくなります。

まずは、2週間の無料トライアルから始めてみませんか?

MELON ONLINEバナー画像