企業の成長に感情マネジメントとマインドフルネスが役立つ理由
多くの企業が抱える課題として、メンタル不調の社員への対応、組織内の対人関係やコミュニケーションの問題など“人の心や感情”に関係するものが多くあり、根本的な解決が急務とされています。
しかし、心へのアプローチ方法がわからず、何から始めるべきか悩まれている経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。その助けになるのが、心の課題を解決するために有効なアプローチ「感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)」です。
そこで今回は、感情マネジメントとは何かや、どんな効果があるか、具体的に取り入れる方法を解説します。
感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)とは?組織に必要な理由とメリット
感情マネジメントとは、感情を調整しつつ、それをうまく利用していくスキルのことをいいます。「エモーショナルマネジメント」と表現されることもあります。
例えば近年、企業経営において、「EQ(感情知能)」が注目されています。EQとは、自分や他人の感情を正しく理解し、上手に調整する力のことです。EQが高いと、対人関係をスムーズにするなど、メンタル不調の予防に役立つとされています。このEQを育むことも「感情マネジメント」に含まれます。
他にも、感情マネジメントのスキルを高めることで次のような効果を得ることができます。
生産性やパフォーマンスの向上
怒りや不安、焦りといったネガティブな感情は、私たちの思考をせばめたり判断力をにぶらせたりすることがあります。
例えば、イライラしたまま会議に参加したとしたらどうでしょう。そのような状態では、冷静かつ建設的な意見は出にくくなるでしょう。また、感情的になっている状態では周囲との衝突を生み、協働することが難しいため企業の生産性にも影響します。
感情の調節がうまくできるようになれば、モチベーションを維持することができ、パフォーマンスや生産性の向上が期待できます。
ストレスの軽減
過度なストレスが続くと、仕事に対するモチベーションが低下して離職率を高めたり、メンタル不調者が増えたりするといったリスクが高まります。
感情マネジメントのスキルを高めることで、ストレスの原因を見つけ、適切な対処を行うことでストレスが軽減します。社員のストレスが軽減することは、エンゲージメントの向上も期待できるので、企業にとってもメリットがあります。
エンゲージメントとは何かはこちらの記事をご覧ください。
信頼関係の構築
チームで仕事を進めていくには、信頼関係の構築が不可欠です。自分の感情を調整し適切に表現することができると、衝動的な言動や行動によるトラブルを防いだり、安心感のある職場の雰囲気が生まれます。
また、感情マネジメントは共感力を高めることにも役立ちます。共感を持って相手に接することで、チームで支え合う風土が生まれ、ミスが起きた時もチームでカバーするなど、チームとしてのパフォーマンス向上も期待できます。
参考:金井壽宏ら(2008). 組織理論における感情の意義. 組織科学,41巻,4号.
感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)に効果的な「マインドフルネス」とは
感情マネジメントがメンタル不調などの解決に役立つことは理解していても、具体的に自社でどんな取り組みをすべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。
感情マネジメントのスキルを高める具体的なツールとして、マインドフルネスが有効です。マインドフルネスとは、今ここに意識を向けること。自分や他人、周囲の環境を含めて、そのあるがままの状態を観察し、今この場で起きていることに気づくということが基本的な考え方です。
マインドフルネスの効果のひとつに、「自身の中にある感情への気づきや、調整力を高める」という効果があることから、感情マネジメントのスキルを高めるツールとして注目されています。
ビジネスへの良い影響については、さまざまな研究機関で研究が進められており、例えば、マインドフルネスがビジネス分析や意思決定能力を向上させ、さらにストレス軽減に効果があることが実証されています。
参考:Anand N. Asthana(2021).Effectiveness of Mindfulness in business education: Evidence from a controlled experiment.The International Journal of Management Education,19巻,2号.
マインドフルネスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
マインドフルネスが感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)にどう役立つか
ここでは、マインドフルネスが感情マネジメントにどう役立つかという視点から具体的な例を3つ解説します。
(1)自己認識が高まる
マインドフルネスは、自分の感情や思考に対して意識をむけ、「今、自分が何を感じているか」を客観的に観察する力を養います。
どんな時に感情的になりやすいのか、何が感情を強くするきっかけになるのかといった自己認識力が強化されることで、感情に巻き込まれる前に変化に気づき、衝動的に行動するのではなく、冷静に対処することに役立ちます。
(2)ストレスの軽減と感情の安定
職場にはさまざまなストレス要因がありますが、中にはストレスにどう対処したら良いのか分らないという社員もいるでしょう。
マインドフルネスは、呼吸や瞑想を通じて心の状態を整え、ストレスを軽減する効果があります。ストレスとうまく付き合うことができると、感情の安定につながり、メンタル不調の予防にも役立ちます。
(3)共感力の向上
マインドフルネスは、自分の感情をていねいに観察する習慣を作ります。
この習慣は、他者の感情に気づくこと、共感する力も高めてくれるため、相手の心情を理解しやすくなり、職場でのコミュニケーションをスムーズにしてくれます。
感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)の向上に成功した企業の事例
感情マネジメントを高めるため、マインドフルネスを活用する動きは広がっています。ここでは、三井物産様の事例をご紹介します。
プロジェクト本部プロジェクト開発第一部第二営業室では、エンゲージメントの低さから業務に支障が出るなどの課題を抱えていました。「マインドフルネスがエンゲージメントやコミュニケーションの活性化に役立った」という経験談を聞き、いくつかの候補からMELONが提供する法人サービスの「実践型のプログラム提供」と「結果の可視化」に惹かれ導入を決意。
2か月間、継続的に取り組まれた結果として、
・「心身のコンディション」と「感情調整力」の効果測定値が大幅に向上
・「心理的安全性」が向上して、相互理解や思いやる気持ちを持つきっかけに
・ひとつのプログラムをチームで実践することにより、マインドフルネスのスキルが共通言語に
といった効果を実感されています。詳しい体験談は、こちらをご覧ください。
感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)向上にMELONが貢献できること
私たちMELONは、マインドフルネスを通して企業の組織における課題解決を支援しています。組織の感情マネジメントのスキルを高めるために、MELONの効果的なプログラムを生かして、全力でサポートいたします。
それぞれの課題に対応した「伴走型支援」
それぞれの組織が抱える悩みは、千差万別でどうアプローチすべきかは組織によって異なります。MELONではまず、どのような課題があり、どのような組織を目指したいかなど、プログラム導入の目的を明確にしたうえで、適切なプログラムをご提案いたします。
ヒアリングをもとに、組織が抱えている課題の解決に合った最適なプログラムをカスタマイズ。さらに、研修をして終わりではなく、各従業員が自主的に実践できるように、定着化・習慣化まで徹底的にサポートします。
「結果を出す」ことを目的にした効果的なプログラム
MELONの法人向けサービスでは、「結果を出す」ことにフォーカスしたプログラムを提供しています。通常の座学研修に加え、セルフケアツールを活用した実践練習を行い、研修の前後で効果測定を実施することで、研修の成果を可視化します。
知識を身につけるだけではなく、実践まで継続的にサポートし、マインドフルネスを習慣化する仕組みを提供します。
まとめ|感情マネジメント(エモーショナルマネジメント)で組織のさらなる成長を促す
今回は、メンタル不調の予防などに感情マネジメントが役立つこと、そして、感情マネジメントを高めるのに役立つツールがマインドフルネスであることを解説しました。
マインドフルネスの実践により、自分の感情への気づきや調整、そして他者の感情への理解・共感を育むことができます。
従業員のメンタル不調や、対人関係・コミュニケーションをより効果的なものにするツールとしてマインドフルネスに関心のある方は、マインドフルネスの法人向けプログラムの詳細をこちらからご覧ください。