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今注目される健康経営にマインドフルネスが役立つ?具体的な方法とは

健康経営

企業が従業員の健康を重視し、持続可能な成長を目指す「健康経営」。健康経営に力を入れて取り組む企業が増えていますが、具体的に何を導入したら良いのか分からないという声も少なくありません。

そこで今回は、健康経営を促進する可能性がある方法として注目されているマインドフルネスについて、そしてマインドフルネスを健康経営に活用するメリットについて解説します。

健康経営とは?

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健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。従業員への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上など、組織の活性化をもたらし、結果として、業績の向上や株価の向上などにつながることが期待されています。

また、健康経営は、企業の持続可能な成長と社会貢献を目指すSDGs(持続可能な開発目標)との関連が注目されています。SDGsには17の目標があり、その中の「すべての人に健康と福祉を(目標3)」「働きがいも経済成長も(目標8)」「ジェンダー平等を実現しよう(目標5)」などは、健康経営との親和性が高いといわれます。

参考:健康経営とは|東京商工会議所

健康経営が企業にとって必要な理由

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健康経営に関心が高まっている背景には、以下のような社会課題があるといわれています。

(1)生産年齢人口の減少と従業員の高齢化

日本では少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少しています。働き手となる世代が減り、限られた人材で生産性を維持・向上させていく必要があります。

また、従業員の平均年齢も上がっており、加齢とともに健康リスクが増えていく中で、高齢の従業員の労働意欲を維持することも課題となっています。健康経営を行うことで従業員の健康を支援し、病気の予防をすることによって、仕事のパフォーマンス向上や、生産性の低下を防ぐことに役立ちます。

(2)深刻な人手不足

多くの業界で、深刻な人手不足が問題となっています。特に中小企業においては、新規の採用が難しく、既存の従業員にかかる負担が増加しています。

このような環境では、従業員の離職を防ぐことや、モチベーションを維持することは困難になってくるでしょう。そこで、健康経営を通じて、従業員が健康で長く働ける環境を整えることで、職場の定着率が向上し、人手不足の解消に貢献できます。また、健康で働きやすい職場環境は、企業イメージの向上にもつながります。

(3)国民医療費の増加

日本の医療費は年々増加しており、企業もその影響を受けています。従業員が病気で長期間の休職や離職をすることは、企業の経済的負担や生産性の低下にもつながります。

健康経営を実践し、従業員の健康状態を改善することで、病気になるリスクを減らし、医療費の抑制が期待できます。企業にとって従業員の健康に投資することは、長期的な視点で医療費を削減する可能性があります。

マインドフルネスが健康経営で注目される訳

原っぱで瞑想をする男性の後ろ姿

企業における健康経営が注目される中で、その重要さが分かっていても、具体的に何をしたら良いのか迷われるのではないでしょうか。

最近では、健康経営の具体的なツールとして、マインドフルネスが注目されています。健康経営度調査票の項目のひとつに「マインドフルネスなどの実践」の記載があることもあり、健康経営のための実践的な取り組みとして、マインドフルネスを導入する企業が増えています。

マインドフルネスとは、今ここに意識を向けること。自分や他人、周囲の環境を含めて、そのあるがままの状態を観察し、今この場で起きていることに気づくということが基本的な考え方です。


そもそもマインドフルネスとは何かを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

マインドフルネスが健康経営に役立つ理由やメリット

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マインドフルネスは個人の心身の健康を促進するだけでなく、職場全体の生産性や人間関係をスムーズにすることにも効果があります。そこで、マインドフルネスが健康経営にどのように役立つかを紹介します。

(1)ストレスの軽減

業務過多や人間関係など、職場にはさまざまなストレス要因があります。中には、ストレスとうまく付き合っていくのが苦手という従業員もいるでしょう。

マインドフルネスは、呼吸や瞑想を通じて心の状態を整え、ストレスを軽減する効果があります。ストレスとうまく付き合うことができると、従業員のメンタルヘルスが安定し、離職率の低下や仕事のパフォーマンスの向上にもつながります。

(2)集中力の向上

マインドフルネスの練習は「今ここ」に意識を集中させるために行います。習慣化することによって、さまざまな外部の刺激があっても、目の前のタスクに集中できるようになります。

集中力が高まると業務の効率が上がり、品質の向上やプロジェクトの円滑な進行が期待できます。

(3)創造性や問題解決能力の向上

マインドフルネスを実践することで、頭の中に余白ができ、複雑な問題に対して新しい視点を持って解決しようとする余裕が生まれやすくなります。また、柔軟な発想や斬新なアイデアが生まれやすくなります。

(4)従業員の幸福度の向上

マインドフルネスを実践することで、感情や自分自身の内側で起きていることに対する理解が深まります。自己理解した上で物事を選択したり、日常生活を送れたりするようになることで、自尊感情や幸福度が高まります

従業員一人ひとりの幸福度が向上すると、職場でのモチベーションやエンゲージメントが高まり、組織全体の生産性も向上します。また、従業員の幸福感が高い職場は、離職率が低く、長期的に安定した成長が期待できます。


エンゲージメントについてはこちらの記事もご覧ください。

(5)スムーズな人間関係の構築

マインドフルネスは、他者への共感や理解を深めることに役立ちます。相手の話や感情を適切に理解し、冷静に反応する力が身につくことで、職場でのコミュニケーションが円滑になります。

チーム内の信頼感が向上すると、人間関係での衝突が減り、協力しやすい環境が生まれやすくなるため、チームワークが良くなったり、プロジェクトの達成率が向上したりします。

(6)感情の扱い方が上手になる

マインドフルネスは、自分の中に起きている感情を観察し、それに適切に対応するスキルを育みます。感情に振り回されることなく冷静に対処できるようになると、困難な状況下でも安定した判断をすることができるようになります。

マインドフルネスを健康経営に役立てるには?

ノートにクエスチョンマークが記載されている画像

健康経営にマインドフルネスをどのように活用していくのか想像しづらいという方もいらっしゃるかもしれません。そこで導入例を2つ紹介します。

導入例1:新人研修の一環として

新人研修は、新入社員が社会人として活躍するための土台づくりとなる場所です。ビジネスマナーや専門知識を得ることはもちろんですが、仕事を長く続けていくためには、メンタルヘルスの土台を築くことも同じくらい大切といえます。

そのためのツールとして、マインドフルネスは役立ちます。新人研修の中にマインドフルネスプログラムを導入することによって、ストレスと上手に向き合えるようになる、不安や緊張などの感情に落ち着いて対処できるようになるといったことが期待できます。  

具体例2:ストレスマネジメントの一環として

ストレスチェックなど、ストレスを数値化するための仕組み化は進んでいますが、大切なのは、ストレスと上手に付き合っていくためにどんなことが必要なのかを教育し、継続していけるようにサポートする仕組みを作ることです。

マインドフルネスは、ストレスと上手に付き合っていくためのツールです。従業員のストレスが軽減されることでメンタルヘルスを保ち、集中力や仕事の生産性を高めることにも役立ちます。


ストレスチェックの概要やストレス軽減にマインドフルネスが効果的な理由は、こちらの記事で解説しています。

マインドフルネスで健康経営を目指す企業の導入事例

ビル群の写真

MELONでは、法人に向けたサービスにも力を入れて取り組んでいます。すでに200を超える企業で導入されており、今回は重度の障害をお持ちの方に対する訪問介護サービスを全国で展開する「株式会社土屋」様の事例を紹介します。

介護職は「感情労働」が多く、ストレス負荷が高い職種です。それによる精神的・身体的疲弊が離職率の上昇につながっており、その解消を目的にMELONのマインドフルネスプログラムを導入されました。

全職員を対象としたマインドフルネスサークル「Refrel」を発足し、継続して取り組んだ結果、

・個々の睡眠の質の向上
・ストレスの軽減
・仕事のパフォーマンス改善
・社内コミュニケーションの強化


といった成果を実感されました。今後も継続的に取り組むことで、自社だけではなく介護業界全体にマインドフルネスを取り入れた健康経営が広がっていくことを期待されています。


株式会社土屋様へのインタビュー記事はこちらでご覧ください。

MELONの法人向けサービスの特徴

私たちMELONは、マインドフルネスを通して企業の組織における課題解決を支援しています。 

(1)習慣化するために寄り添う、伴走型支援

組織が抱える悩みは、それぞれで違います。そこで、どのような課題があり、どのような組織を目指したいかなど、プログラム導入の目的を明確にしたうえで、適切なプログラムをご提案いたします。

そのヒアリングをもとにプログラムをカスタマイズし、自主的に実践できるよう、定着化・習慣化まで徹底的にサポートします。

(2)チームの絆が深まる、場づくりを重視

MELONの法人向けサービスでは、組織全体で取り組むための「場づくり」を大切にしています。

社内全体で共通のプログラムに取り組むという姿勢が、エンゲージメントの向上に有効であると考えているからです。社内で取り組みやすいコミュニティ作りのお手伝いをさせていただきます。

(3)実践をした効果を見える化

弊社のマインドフルネスプログラムは、オプションで「パルスサーベイ(プログラム実施後の調査)」の追加が可能です。プログラムをやって終わりではなく、従業員のメンタル面の変化をしっかり可視化します。

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まとめ|マインドフルネスで健康経営をより効果的に

本記事では、マインドフルネスが健康経営にどのように役立つのか、そしてその効果やメリットについて取り上げました。

マインドフルネスは、集中力やモチベーションの向上に加えて、ストレスの軽減や人間関係をスムーズにするなど、多岐にわたる効果が期待できます。健康経営をより効果的なものにするツールとして、弊社のマインドフルネスプログラムをご検討ください。


マインドフルネスの法人プログラムで、エンゲージメントと組織の生産性を高めたい方はこちらから詳細をご覧ください