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良好な人間関係がエンゲージメントを高める!その仕組みとマインドフルネスとの関係を解説

良好な人間関係

生産性や顧客満足度、離職率など企業のパフォーマンスを左右する要素として注目を集めるエンゲージメント。実は、エンゲージメントを高めるには「社内の良好な人間関係」が鍵を握るといわれていることをご存じですか?

もし「人間関係を理由に従業員が退職してしまう」「ストレスで生産性が上がらない」といった課題でお悩みであれば、良好な人間関係の構築に目を向けることが解決の糸口になるかもしれません。

そこで今回は、MELON代表の橋本へのインタビューをもとに、良好な人間関係がエンゲージメントの向上に与える影響を解説し、さらに人間関係の改善とエンゲージメント向上を同時に実現する手法をご紹介します。


エンゲージメントについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

良好な人間関係がエンゲージメントを高める

会議をしている様子

ーーエンゲージメントを高めるために、なぜ良好な人間関係が重要なのでしょうか?

まず、基本的に会社や組織は人で成り立っているので、会社や組織で働き続ける限り人と関わり続けることになりますよね。

つまり、日々の業務のいたるところで人との関わりが発生するので、良好な人間関係が築けていないとストレスを感じたり摩擦が起こったりします

その結果「仕事がやりにくい」「この人たちと一緒にいたくない」と感じてしまっては当然エンゲージメントも上がりません。だからこそ、従業員に「組織のために頑張りたい」と思ってもらうには人間関係が重要なのです。

人間関係を良くするために欠かせないのは「傾聴力」と「共感力」

人の脳と共感

ーーでは、人間関係を良くするためにはどうすればいいのでしょうか?

良好な人間関係を築くには、個人個人が身につけるべきスキルセットがあります。それが「傾聴」と「共感」です。

意外と多くの人が「傾聴」をできていない

ーー「傾聴」というのは、具体的にどのようなスキルなのでしょうか?

傾聴とは相手の言葉にしっかりと耳を傾け、「100%理解しよう」という姿勢で聞くことです。

当たり前のように聞こえますが、意識的に傾聴をやり続けるのは、意外と多くの人ができていないことでもあります。

ーーしっかりと傾聴できていない原因は何なのでしょうか?

この原因については、会社における「上司」と「部下」の関係を例に挙げてお話します。

上司が部下から質問や相談を受けた場合、上司としては何かしらの反応を求められていると思うわけですよね。

そこで「自分の反応が欲しくて話しかけてきているのだろう」と思うと、すべてを聞き終わる前に先回りしてアドバイスをしたり、自分の意見を言ったりしたくなるケースもあります。

つまり、返答を急ごうとしたり、仕事を効率的にこなすために「先回りする」という行動をとることで、傾聴がおろそかになってしまうことがあるのです。

十分な傾聴をせずに自分の意見を押しつけてしまうと、部下は「本当に言いたいのはそうじゃない」「ただ話を聞いて欲しかっただけなのに……」「この人は話を聞いてくれないんだな」といった不満を抱いてしまいます。

そうした不満は人間関係の悪化につながるため、まずはしっかりと相手の話に耳を傾けることが重要です。

傾聴することで相手の承認欲求を満たすことができる

ーー確かに、話をしっかり聴いてもらえないと悲しい気持ちになってしまいますね。

そうですね。そして人間というのは、話を聞いてもらうだけで「承認された」「認められた」という感覚を持つことができます。なぜなら、「聴く」という行為は相手の時間と注意を使ってもらうものだからです。

面と向かって話を一生懸命聴くことで、相手は「この人に認めてもらえた」「受け入れてもらえた」という安心感を抱きます。

とはいえ、仕事中だと忙しかったり「早く返答しなくては」と思ったりして、十分に耳を傾けられないこともありますよね。だからこそ、忙しいときでも意識的に傾聴できるだけのスキルを磨いていく必要があります。

お互いの信頼関係を築くために必要な「共感」

ーーでは、「共感」とはどのようなスキルなのでしょうか?

共感とは、読んで字のごとくともに感じる」という意味で、英語では「Compassion(コンパッション)」という言い方をします。

コンパッションという言葉はラテン語がもとになっていて、Com(コン)は「ともに」を意味し、Passion(パッション)は「苦しみ・苦痛」を意味します。つまり、「ともに苦しみを分かち合う」というのが語源なんです。

こうした背景を考慮すると、共感というのは楽しいことはもちろん、辛い状態も一緒に味わってあげるっていうことなんですよね。

人間はネガティブな感情への共感を本能的に避けてしまう

ーー「楽しい」「うれしい」といったポジティブな感情だけでなく、「つらい」「悲しい」といったネガティブな感情もともに味わうのが「共感」なんですね。

そうです。喜びに共感するのは簡単ですよね。

その一方でつらい思いをしている人に寄り添うのは、自分もともに苦しむことになるので本能的に避けてしまう傾向にあります。

ーーネガティブな感情への共感を避けようとすると、人はどのような行動をとるのでしょうか?

先ほどの傾聴の話にもつながるのですが、「辛い」「困った」といったネガティブな相談をされると、すぐにアドバイスしたくなるんですよ。

自分の経験談に基づいて「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスをすることで、ネガティブな話を聴き続けなくて済みますからね。

良好な人間関係・信頼関係は共感なしに築けない

ーーたしかに、早めに解決策を出して話を終わらせれば、自分を守ることはできますね。

そうですね。しかし、共感をおろそかにしてアドバイスだけをするということは、ある意味でシャットダウンしてしまっているんですよね。

一部の職場では、部下が忙しい上司に相談した際に、上司が「こんな感じのアドバイスをすればうまくいくだろう」と考え、自分は苦しい感情を味わわずに突き放してしまうということが起こっています。

すると、相談した部下は、「自分の感情を一緒に味わってはくれないんだ」と孤立感を抱いてしまいます。さらに「この人を信じていいのかな」と感じ、信頼感までもが薄れてしまうのです。

お互いの信頼関係が破綻してしまっては、良い人間関係を築くことはできません。

したがって人間関係を良くするには、まず相手と感情を一緒に味わうプロセスを踏み、その上で何ができるかを考える、というスタンスで接することが重要です。

もともと人間には、共感のベースとなる力が備わっている

ーー共感に関連した言葉として、「ミラーニューロン」というワードを耳にしたことがあります。これはどういったものなのでしょうか?

ミラーニューロンとは、他人の行動を見た時に、自分もそれと同じ行動をしているかのように脳内で反応する神経細胞です。

例えば、他の人が手を握っている様子を目にした場合、自身の脳内の「手を握る」という命令を出す神経が反応するイメージです。

ミラーニューロンは、哺乳類以上の高等な生き物の脳内にあるとされていて、これが共感のベースになっているのではないかと考えられています。

「傾聴力」と「共感力」はマインドフルネスで育むことができる

オンラインでマインドフルネスをしている様子

ーー人間関係を良くするには「傾聴」と「共感」が大事ということがわかりましたが、これらのスキルはどのように磨けばいいのでしょうか?

「傾聴」や「共感」といったスキルは、マインドフルネスによって育むことができます


ーーなぜ、マインドフルネスによって傾聴力を磨けるのでしょうか?

マインドフルネスの実践法の一つに、「マインドフル・リスニング」というものがあります。

そもそも「マインドフル」というのは、100%意識を向けている状態を指します。それを聴くことに注意を向ける、つまり傾聴するのがマインドフルネス・リスニングです。

マインドフルネスを実践することで、自分の五感に意識を向けるスキルや、相手の話に注意を向けてしっかりと解釈しようとする力、すなわち傾聴力が磨かれていきます


マインドフルネスとは何かについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

マインドフルネスによって「共感力」が高まり、人間関係が円滑になる

ーーマインドフルネスによって、共感する力も高まるのでしょうか?

そうですね。マインドフルネスを実践することで、共感力も高まることがわかっています。

ーー他者に共感できるようになるとネガティブな感情を一緒に味わうので、自分までつらい気持ちになってしまわないでしょうか?

おっしゃるとおり、「共感することはつらいことなのでは?」と考える人も多いと思います。

ただ、マインドフルネスでは共感力と一緒に、ストレスへの耐性も育まれていきます。つまり、人に共感することで一緒につらい感情を味わったとしても、すぐに平静さを取り戻せる力も同時に高められるんです。

そのため、実は「共感する」ということは必ずしも自分がつらい思いをするわけではないんです。むしろ、共感することで人との信頼関係を築けるので、マインドフルネスはチームの人間関係を円滑にしていく上で重要であるといえます。

マインドフルネスでは「EQ(心の知能指数)」も高められる

EQ(Emotional Intelligence Quotient)

ーー「良い人間関係を構築するにはEQも重要」という話を耳にしました。マインドフルネスはEQにも影響を及ぼすのでしょうか?

昨今、EQはビジネスにおいても非常に重要なスキルだといわれています。そして、EQはマインドフルネスの実践で高めることが可能です。

そもそもEQというのは、心理学者のダニエル・ゴールマン氏が提唱した概念で、定義は、「自分と他人の感情を理解して自分の感情をコントロールする力」とされています。

この力は、マインドフルネスにそのまま当てはまるんですよね。マインドフルネスでは、以下のようにさまざまなことを行います。

  • 自分の感情を観察して、理解・把握する
  • 他人の感情を理解して、共感する
  • 自分の感情をコントロールする

そのため、「EQが高まる=マインドフルネススキルが高まる」といえます。

まとめ|人間関係の改善とエンゲージメント向上にはマインドフルネスが有効

ハイタッチをしている女性

今回は、エンゲージメントを向上させるために欠かせない人間関係とその理由、マインドフルネスとの関係性について解説しました。

良好な人間関係を築くには、個人個人が「傾聴」や「共感」といったスキルを磨くことが重要ですが、それらのスキルはマインドフルネスを実践することで育めます。


MELONではエンゲージメントを高めたいとお考えの企業向けに「法人向けプラン」をご用意しており、すでに200を超える企業で導入されています。

MELONのマインドフルネスプログラムを導入することで、

「従業員の生産性やエンゲージメントを向上させたい」
「人間関係によるトラブルが起こっている」
「従業員のメンタルヘルスのケアに課題を感じている」

といったお悩みを一挙に解決できます。

導入企業の1か月後のサーベイでは、平均してストレスが19%軽減。さらに、睡眠の質が20.9%、レジリエンスが23.4%、疲労感回復が20.6%それぞれ向上しています。

早稲田大学との共同研究で高い効果が実証されたプログラムで、エンゲージメントだけでなく、メンタル不調の予防や、離職・休職予防、生産性向上が叶います。詳しくは下記のリンクからご相談ください。

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