研究・論文紹介

マインドフルネス瞑想の効果とは?エビデンスに基づく9つの研究を解説

本とノート

マインドフルネスには心身の健康促進、仕事の生産性向上などの効果があるといわれており、その効果に興味を持っている人も多いでしょう。

一方で、マインドフルネスはなかなかイメージがしづらいため、

「本当に効果があるの?」
「怪しいものでは?」

と効果に疑問を抱く方も多いかもしれません。

実はマインドフルネスは、オックスフォード大学を含む一流の研究機関で研究され、効果が実証されているセルフケアなのです。

今回は、有名大学の研究や、被引用数が100を超える注目度の高い研究などエビデンスを示しながら、マインドフルネスの効果を解説します。

質の高い研究によって裏打ちされたマインドフルネスの効果の背景を知って、継続のモチベーションにしてみてください。


そもそも「マインドフルネスとは何か」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

マインドフルネスのエビデンスに基づく研究5選【心身の健康促進】

海に向かって両手を広げる女性

多くのマインドフルネス実践者が、ストレス解消や睡眠の質向上など、心身の健康促進を目的としてマインドフルネスを取り入れています。ここでは、マインドフルネスが心身の健康にもたらす効果について、最新の研究をもとに解説します。

(1)ストレスや不安を軽減

マインドフルネスは、ストレスや不安を低減する効果があることを実証した研究を紹介します。

【研究結果】

健康な人のメンタルヘルスに対する「マインドフルネスストレス 低減法(MBSR)」には、以下の4つの効果があると認められました。

(1)ストレスの軽減
ストレスの軽減においては大幅な効果があった。

(2)不安の軽減
不安の軽減に対しても中程度の効果があった。

(3)憂鬱な気分の軽減
憂鬱な気分の軽減に対しても中程度の効果があった。

(4)生活の質の向上
生活の質の向上に対しても中程度の効果があった。

また、得られた結果は、平均19週間の追跡調査でも維持されていることが確認されました。

【研究方法】

この研究は29の研究(合計2,668人の被験者)を対象としたメタ分析という形で実施されました。メタ分析とは、複数の研究から得られた結果を統合し、全体的な傾向を明らかにする手法です。

参考:Bassam Khouryら (2015). Mindfulness-based stress reduction for healthy individuals: A meta-analysis. Journal of Psychosomatic Research, 78, (6).

(2)DMNの活動を抑え反すう思考を軽減

マインドフルネス瞑想が脳の働きに影響を与えデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動を抑制することを実証したイェール大学の研究を紹介します。

デフォルトモードネットワーク(DMN)とは、脳が特定のタスクに集中できていない、ぼんやりとしているときに活性化する神経ネットワークです。過剰に活動すると反すう思考(特定の事象や考えについて考え続けてしまうこと)の原因ともなるため注意が必要です。

【研究結果】

研究の結果以下の2点が明らかになりました。

(1)瞑想経験者は、瞑想未経験者に比べDMNの主要な領域(内側前頭前野と後部帯状皮質)の活性が抑制されていました。

これはマインドフルネス瞑想を実践することで、DMNの活動が抑えられることを示しています。

(2)瞑想経験者は、「後部帯状皮質」「背側前帯状皮質」「背外側前頭前野」間の結合が強化されていることが示されました。

これは、マインドフルネス瞑想によって以下の3つのネットワークのつながりが強化され、脳が周囲の状況をより冷静に判断できるようになったことを示しています。

つながりが強化された3つのネットワークは「デフォルトモードネットワーク(DMN)」「注意制御ネットワーク(CEN)」「気づきネットワーク(SN)」で、結合の強化が確認された脳の3つの部位は、それぞれこのネットワークの一部です。

これらのネットワークが機能的につながっている場合、重要な刺激が検出されると、気づきネットワーク(SN)が活性化し、DMNから注意制御ネットワーク(CEN)へ切り替えます。それにより、ぼんやりした状態から、集中している状態になります。

これらのネットワークのつながりは精神状態に大きく影響します。

注意制御ネットワーク(CEN)の一部である背外側前頭前野とのつながりが強化されると、刺激に対して自動的に沸き起こる感情や思考を冷静に認識・判断できるようになり、ストレスを感じにくくなります。

一方、これらのつながりが弱い場合、感情に支配されやすくなり、反すう思考を止められず過度になるとうつ病を発症する可能性があります。

「過去の嫌な経験が頭から離れない」「いつも不安に襲われている」という方はマインドフルネス瞑想を実践して脳のネットワーク機能を高めることをおすすめします。

なお、「瞑想中に脳で何が起きている?マインドフルネス瞑想の効果を脳科学者が解説!」の記事では瞑想と3つのネットワークの関係について詳しく解説しています。

【研究方法】

この研究では被験者を以下の2つのグループに分け、安静時および瞑想時の脳の活動をfMRIで測定しました。

(1)10年以上マインドフルネス瞑想を実践しているグループ
(2)瞑想未経験者のグループ

なお、瞑想未経験グループの被験者は、マインドフルネス瞑想実践者と年齢や性別などの要因が一致するように選定されました。

参考:心の動きと体をつなぐ脳内3つの「ネットワーク」|ヘルシスト

参考:Judson A. Brewerら(2011).Meditation experience is associated with differences in default mode network activity and connectivity. PNAS, 108, (50).

(3)不安障害や気分障害の改善

マインドフルネスは不安障害気分障害などの精神疾患の治療として効果があると実証した研究を紹介します。

【研究結果】

マインドフルネスベースのセラピー(MBT)の効果について以下の2点が実証されました。なお、影響の大きさは効果サイズと呼ばれ、この研究では「Hedges’ g」という指標を用いて表されています。

(1)不安の改善

  • 不安症状に対する効果サイズは0.63で、中程度の効果を示しました
  • その中でも不安障害を持つ患者に対しては、効果サイズが0.97と大きな効果が見られました

(2)気分症状の改善

  • 気分症状(悲しい気分や異常な高揚感など気分に関する症状)に対する効果サイズは0.59で、中程度の効果を示しました
  • その中でも気分障害を持つ患者に対しては、効果サイズが0.95と大きな効果が見られました

これらの効果サイズは、研究における出版年や治療の回数に関係なく一貫しており、追跡調査中も維持されました。

このように、MBTはさまざまな重症度の不安や抑うつを改善すると実証されました。背景には、マインドフルネスが物事の感じ方自体に変化を起こすことが挙げられます。

マインドフルネスの考えでは、嫌なものは嫌だとありのままを受け入れます。それによって、ネガティブな出来事にも冷静に反応できるようになり、物事の感じ方をコントロールできるようになります。

この研究でも、MBTにより患者が症状に対して異なる関わり方を持てるように促した結果、症状が気にならなくなりさまざまな重症度の不安や抑うつに対して効果を発揮したと考察されています。

【研究方法】

この研究は、39の研究(被験者数1,140人)を対象としたメタ分析の形式で実施されました。

参考:Stefan G. Hofmannら(2010). The Effect of Mindfulness-Based Therapy on Anxiety and Depression: A Meta-Analytic Review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78, (2).


さらに、最新の研究ではマインドフルネスが薬物治療と同等の効果があるうえ、吐き気や睡眠障害などの有害事象が起こりにくいと認められました。

この研究については、「マインドフルネス瞑想は不安障害に効果がある?研究結果を元に解説!」の記事で詳しく解説しています。また、不安感にお悩みの方に有効なマインドフルネス瞑想のやり方も解説しています。

(4)感情のコントロール能力向上

マインドフルネス瞑想は脳の特定の部位の働きに影響を与え、感情のコントロール能力も向上させることを実証した研究もあります。これはアンガーマネジメントなどにも利用できるため、日常的に活用できるスキルです。

この研究において研究対象となった脳の部位は「扁桃体」と「前頭前野」です。

扁桃体は、脳の部位の一つでマイナスな感情に関連しています。不安や恐怖を強く感じると、この部位が活性化しますが、通常理性を司っている前頭前野が扁桃体を抑えつけてバランスを取っています。

【研究結果】

研究により以下の2つの効果が認められました。

(1)長期瞑想トレーニングの効果
長期瞑想者は、瞑想未経験者よりも右扁桃体の活性化が有意に低いことが明らかになりました。特に長期瞑想実践者で、リトリート(日常生活から離れ、マインドフルネス瞑想に集中するために特別な環境に身を置くこと)の実践時間が長い人は、扁桃体の活性がもっとも低いと示されました。

(2)短期瞑想トレーニングの効果
短期(8週間)の瞑想トレーニングは、扁桃体と「腹内側前頭前野」という感情のコントロールに関与している前頭前野の一部との間のつながりを強化しました。

このように、マインドフルネス瞑想によって前頭前野と扁桃体のつながりが強化され、扁桃体の反応が抑制されることが明らかになりました。これはマインドフルネス瞑想が感情のコントロール能力を向上させることを示しています。

さらに、瞑想を長期間、かつ集中して行うと、より効果を得られることも明らかになりました。

【研究方法】

被験者は以下の3グループに分けられ比較されました。

(1)長期の瞑想者(平均9,081時間の瞑想経験を持つ被験者)
(2)8週間「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」のコースを受けた被験者
(3)健康増進プログラムを受けた被験者

被験者に感情を刺激する画像(ポジティブ、ネガティブ、中立的なものの3種)を4秒間見せ、その間脳をスキャンしました。それにより感情を刺激する画像に対する3つのグループの扁桃体の反応の違いを調査しました。

参考:Tammi RA Kralら (2018). Impact of short- and long-term mindfulness meditation training on amygdala reactivity to emotional stimuli. Neuroimage, 181.


感情に振り回されがちな方は「偏桃体ハイジャック」に陥っている可能性があります。「感情が抑えられなくなる【扁桃体ハイジャック】とは?対処法を解説」の記事では、扁桃体ハイジャックの解説とその対処法を紹介しています。

(5)睡眠の質向上

マインドフルネスは睡眠の質も向上させることを実証した研究を紹介します。

【研究結果】

マインドフルネス瞑想を実践したグループは、何も治療やケアを受けなかったグループと比較すると、睡眠の質に対する有意な改善が見られました。さらに、その効果は5〜12か月間の追跡調査時も継続していると判明しました。

また、当初マインドフルネスにはエビデンスに基づく睡眠治療ほどの効果は見られなかったものの、追跡調査時の効果測定では、両者の効果は同等であると明らかになりました。

この研究によってマインドフルネス瞑想は睡眠の質向上に有効であり、その効果が持続しやすいことが明らかになりました。

【研究方法】

この研究では合計3,303件の研究から、1,654人の被験者を含む18 件の研究が選ばれ、メタ分析によってマインドフルネス瞑想が睡眠の質に与える影響を調査しました。

被験者は、以下の3つのグループに分けられました。

(1)エビデンスに基づく睡眠治療を受けるグループ
(2)マインドフルネス瞑想を受けるグループ
(3)プラセボ効果をコントロールするため、上記グループへの介入を模した指示をされたが治療やケアを受けなかったグループ

なお、睡眠の質は、妥当性が確立されたアンケートや、腕時計型のデバイスで睡眠と覚醒のパターンを計測する方法などで測定されました。

参考:Heather L Ruschら (2018). The effect of mindfulness meditation on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Annals of the New York Academy of Sciences, 1445, (1).


マインドフルネス瞑想は睡眠を改善する効果がある?研究事例も紹介!」の記事では、睡眠とマインドフルネスの関係性や、睡眠の効果を高めるマインドフルネス瞑想のやり方を紹介しています。

マインドフルネスのエビデンスに基づく研究3選【ビジネススキル向上】

コーヒーとPC

マインドフルネスには仕事のパフォーマンスを向上させる効果もあります。ここからは、ビジネススキルに関連した効果を実証した研究を紹介します。


マインドフルネスはGoogleをはじめとする大手企業で研修として導入されています。「Googleだけじゃない!大手企業がマインドフルネス瞑想を導入する理由とは?」の記事では導入される理由や、日本大手企業での導入事例を紹介しています。

(1)集中力の向上

マインドフルネスは集中力を向上させ、さらに記憶力やストレス耐性も同時に向上させることを実証した研究があります。

この研究では被験者にマルチタスクを強いるテストを実施し、「一つのタスクに対する集中力の持続性」「タスクに関する記憶力」「ストレスの感じ方」を調査しました。

【研究結果】

研究によって以下の3つの効果が認められました。

(1)集中力の向上とタスクの切り替え頻度の減少
瞑想トレーニングを受けたグループは、一つのタスクに集中する時間が長くなり、タスクの切り替え頻度が減少しました。

(2)記憶力の向上
瞑想トレーニングを受けたグループと、リラクゼーショントレーニングを受けたグループのいずれもタスクに関する記憶力が向上しました。これは、ストレスの増加と記憶力の低減には強い相関関係があるためだと考えられます。

(3)ストレス耐性の強化
被験者全員がこのテストにストレスを感じていましたが、瞑想トレーニングを受けたグループでは、訓練後、特にテスト後のネガティブな気分と疲労が少ないことがわかりました。

なお、リラクゼーショントレーニングを受けたループでは、ストレス耐性の強化は見られませんでした。これは、マインドフルネス瞑想には感情のコントロール力を強化する効果があるのに対し、リラクゼーションにはこのような効果がないからだと考えられます。

これらの結果は、マインドフルネス瞑想により、マルチタスク環境でも、より一つの作業にストレスなく集中できるようになることを示しています。

また、別の研究では、マルチタスクはシングルタスクよりも40%効率が悪いと示されています。マインドフルネス瞑想で集中力を高めることで、一つ一つの仕事を着実に完了でき生産性も高まるため「仕事に集中できず、効率が悪い」と感じている方はマインドフルネス瞑想を試してみてください。

【研究方法】

この研究で被験者は以下の3つのグループに分けられました。

(1)8週間のマインドフルネス瞑想トレーニングを受けたグループ
(2)待機期間を経た後同じ8週間のマインドフルネス瞑想トレーニングを受けたグループ
(3)身体をリラックスさせるトレーニングを8週間受けたグループ

被験者はマルチタスク能力を測るテストを受け、その前後に自身の気分を報告しました。また、テスト後にはアンケートも実施され、テストに関する記憶がどの程度残っているか確認されました。

マルチタスク能力を測るテストにおいて被験者は、メールの返信・電話の応答・書類の作成などの複数のタスクを同時に行うように指示されました。さらにテストをストレスフルなものにするため、これらの作業を20分以内で終わらせるよう指示がありました。

また、このテストの間何回タスクを切り替えたかも確認されました。

参考:Multitasking: Switching costs|American Psychological Association

参考:David M. Levyら(2012). The effects of mindfulness meditation training on multitasking in a high-stress information environment. Proceedings of Graphics Interface 2012.

(2)認知能力の向上

マインドフルネスの実践により、マインドワンダリングが減少し、その結果ワーキングメモリを含む認知能力が向上するという研究もあります。

【研究結果】

マインドフルネスを受けたグループは、読解テストのスコアとワーキングメモリの両方が向上し、かつマインドワンダリングも同時に減少しました。

この背景として、マインドワンダリングが減少することで、集中力が目の前にあるタスクのみに向けられ、読解力とワーキングメモリが向上していると判明しました。

ワーキングメモリは、脳が情報を一時的に保持し操作する能力で、複雑なタスクに不可欠です。研究では、ワーキングメモリの容量がさまざまな文脈でのパフォーマンスを予測する基盤として調査されました。

これらの結果は、マインドフルネスがマインドワンダリングを減らし認知機能を向上させる効果的な方法であると立証しています。

【研究方法】

この研究の被験者48名は以下の2つのグループに分けられ、それぞれ2週間指示された内容を実践しました。

(1)マインドフルネスのトレーニングを実践したグループ
2週間にわたってマインドフルネスクラスを受講し、クラス外でも毎日10分間の瞑想を実践しました。

(2)栄養状態の改善を働きかけたグループ
栄養プログラムに参加し、栄養学の基本と健康的な食生活のための戦略を学びました。また、毎日食事内容を記録しました。

認知能力は「読解力」「ワーキングメモリ」「注意力」の3つの視点から評価されました。それぞれの測定方法は以下の通りです

・読解力
読解力の計測方法として、GREという主に北米の大学院進学を目指す際に受けるテストが使用されました。

・ワーキングメモリ
ワーキングメモリはオペレーショナルスパンタスク(OSPAN)というワーキングメモリを評価するためのテストによって測定されました。被験者は数学問題を解きながら単語を記憶し、最終的に覚えた単語を回答します。これにより、情報を一時的に保持しながら別の情報を処理する能力を測定しました。

・注意力
被験者はランダムなタイミングで、今何に注意を向けているか報告するように求められ、注意力の変動を把握されました。また、被験者自身もマインドワンダリングが発生した回数を記録しました。

参考:Michael D Mrazekら (2013). Mindfulness training improves working memory capacity and GRE performance while reducing mind wandering. Psychological Science, 24, (5).

(3)EI(感情的知性)を向上させ、対人関係を改善

マインドフルネスには、EI(感情的知性)を向上させ、対人関係を改善する効果があることを明らかにした研究を紹介します。

EIはEQとも呼ばれ、自分自身や他者の感情を認識・理解し、管理する能力です。さらに、感情を効果的に活用し、思考や行動に反映させる能力でもあります。人間関係を円滑にするために必要な能力であり、働きやすい職場づくりやチームビルディングの観点からビジネスでも注目されています。

【研究結果】

マインドフルネスのスキルとEI、特に感情を制御する能力との間には正の相関関係があると明らかになりました。さらに、マインドフルネスのスキルは精神的な疲労と負の相関関係があることも判明しました。

また、マインドフルネスは、精神的な疲労や達成感の低下によって現れるバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐことも実証されました。

バーンアウトの軽減によって以下のような効果があり、職場でのより良いパフォーマンスにつながりました。

  • 同僚や患者とのより良いコミュニケーションが可能になる
  • 患者に対しより親身に寄り添うことができる
  • 複雑な状況をより正確に分析できる
  • ストレスの多い状況でも感情がコントロールできる

このように、マインドフルネスがEIを向上させることで、感情のコントロール能力や共感力・分析力が向上し、精神的なストレスが減少します。その結果他者とより良いコミュニケーションを取れるようになり円滑な対人関係を構築できるようになります。

【研究方法】

この研究は、197の研究から10の研究を選定し、メタ分析にかける形で実施されました。

また、マインドフルネスのスキルは質問表を用いて定量的に測定されました。

参考:Nerea Jiménez-Picónら(2021). The Relationship between Mindfulness and Emotional Intelligence as a Protective Factor for Healthcare Professionals: Systematic Review. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18, (10).

マインドフルネスの効果が出るまでの期間に関する研究

カレンダーと時計

マインドフルネスの効果について研究を基に解説しましたが、これまでなかなか効果を感じられなかった方もいらっしゃるかもしれません。

その原因として、マインドフルネスの効果が出る前に挫折してしまっていることが考えられます。

効果が現れるまでの期間を明らかにしたオックスフォード大学の研究を紹介では、「マインドフルネス認知行動療法(MBCT)」の8週間プログラム中に反すうと不安の度合いがどのように変化するかが測定されました。なお、MBCTとはマインドフルネスと認知行動療法を組み合わせたプログラムで、うつ病の再発予防を目的としたものです。

研究の結果、MBCTの効果は8週間のプログラム期間中に徐々に現れると明らかになりました。急激な改善が見られるわけではなく、ときには以前の状態に戻ることもありながら、継続的に実践することで不安と反すうが低減していったことが確認されたのです。

マインドフルネスは、一度実践するだけでも頭がスッキリする程度の効果を感じられるかもしれません。しかし、今回紹介したような本質的な効果を感じるには、研究が示すとおり2か月程度の実践が必要なケースが多いため、5分や10分など短い時間でいいので、まずは2か月間継続することが大切です。

参考:Ietsugu Tetsujiら(2014). Gradually getting better: Trajectories of change in rumination and anxious worry in mindfulness-based cognitive therapy for prevention of relapse to recurrent depression. Mindfulness,6.


とはいえ2か月間実践し続けるのはなかなかハードルが高いですよね。「瞑想がなかなか続かない方必見!習慣化するための5つのコツを解説」の記事では、瞑想を習慣化するのが難しい理由や習慣化するコツについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

5分でできる基本のマインドフルネス瞑想のやり方

ここまで読んで「マインドフルネスをやってみたい!」と思った方向けに5分でできる基本のマインドフルネス瞑想のやり方を紹介する動画を紹介します。
わずか5分で実践でき、かつインストラクターの指示に従うだけなので初心者の方でも手軽に行えます。ぜひやってみてください。


やり方をもっと詳しく知りたい方は「『マインドフルネス瞑想』の仕方・方法を初心者向けに解説|メリット・効能も紹介」の記事も読んでみてください。

まとめ|マインドフルネスの効果は研究により実証されている

今回はマインドフルネスの効果およびそれを実証する研究を紹介しました。

宗教的なものと考えられていた瞑想の効果を科学的に実証し、誰でも手軽に実践できるツールとしたのがマインドフルネスです。

マインドフルネスを実践することで心身ともに健康になり、これまで以上に仕事も前向きに取り組めるようになります。ぜひ継続して、これらの効果を実感してみてくださいね。


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